2012年2月18日土曜日

弱い日本の強い円を読了した

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)

JPモルガンのマネージングディレクター佐々木さんの著書。
昨年末あたりに金融クラスタの反響がなかなかよかったので、読んでみた。

一時期のFXブームから誰でも外国為替取引ができるようになり、各種通貨指標を目にする機会も多くなっている。
個人的にも色々と思い入れがあったので、本書の内容はまさに目から鱗だった。

まず、目次。

第1章
円高と円安―その本質を理解する
第2章
為替の市場とはどんなところか―ディーリング・ルームで行われていること
第3章
国力が為替相場を決めるわけではない―長期的な為替相場変動の要因
第4章
円に買われる理由などいらない―中期的な為替相場変動の要因
第5章
強い雇用統計で売られるドル―短期的な為替相場変動の要因
第6章
米ドルは最弱通貨
第7章
米金利が下落すると円高になる―金利の動きと為替相場の関係
第8章
介入で「円安誘導」などできない―介入のメカニズムと効果
第9章
「対米ドル」相場一辺倒の時代は終わった―これからの為替市場と政策課題

こんな感じの一覧になっている。
個人的には、やはり為替指標のボックス分析と、国力やファンダメンタルズの誤認を真っ向から正していただけたのがよかったように思える。

昔、幸田真音のディール内容を扱う小説で、国力との関連性を示す内容が出ており、私も同種の勘違いをしていた。
やはり通貨はフローであり、流通量を見なければならないんだなぁと。

テクニカルチャートなどにも、一時期は職業柄熱を上げていたこともあったが、自分のポジションと投資スパンによって、機能したりしなかったりとするんだと感じた。

あとは、介入に関する一説があるけれども、こちらも大変参考になった。元々日銀で介入事務をされていたとのことで、メカニズムの説明もわかりやすくてよかった。

金融業界の方はもちろん、一般で外貨預金とかしようと考えている人は参考までに本書を読むと、日頃の値動きに自身の仮説が立てられるようにもなり、よいのではないだろうか。
おすすめ。


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