2012年4月16日月曜日

リアルタイムデータ公開で思うこと徒然に

最近、更新頻度が下がってしまっているので、何かネタはないものかと思っていたところに、いい記事を見つけた。

初の「リアルタイム・データ」サッカー試合:アディダス

Wiredはマネーボールのヒット以降、ベースボールとフットボールのデータネタをちょいちょい書いているので、チェックしている。

今回は、フットボールのデータのリアルタイム公開をアディダスが行おうとしているという、なかなか刺激的なニュースだった。




記事によると、チェルシーの親善試合でユニフォームやスパイクに埋め込んだセンサーデータを収集し、リアルタイム公開するというものだ。
とても興味深い。

しかし、あえてここで警鐘を鳴らしたいと思う。

もちろん、データを扱うものとして、この試みは大変歓迎すべきものだし、できることならそのデータを分析・活用したいものだとも思っている。

話を戻そう。

ここで、公開されるデータは、「選手のポジション、パワー、スピード、動いた距離、プレーの激しさ、加速、GPSマップなどのリアルタイム情報」となっている。
いわゆるフィジカルデータがメインだ。

このデータを元に、フットボールマネージャーへのフィードバックというのは、意思決定をサポートする上で、この上なくよい客観指標となるだろう。
実際、すでに行われているとも言われる。




世界の名将モウリーニョの戦術・練習方法などを取材した本書によると、モウリーニョは選手のフィジカルデータを参考値にはすれど、それで判断することはないという。
それはまさに、戦術的ピリオダイゼーション理論に基づく、フットボールはフラクタル構造を有するが故であることに他ならない。

フィジカルデータが高い数値を出していても、その試合における監督の狙いと合わなければその数字は全くもって意味をなさないこともあるだろう。
また戦術的なロールを与えられたプレイヤー(主にマンマークなど)の数値は場合によってはひどい数値にもなるだろう。

その数字を首脳陣が判断する上でなら、まったく問題はない。

しかし、そのデータが公表されるようだと、色々と問題があるだろう。
その数値が一人歩きし、選手個人へのバッシングにつながる恐れがあるからだ。




うろ覚えで恐縮だが、本書の中でステファン・シマンスキーがこういったデータ公開に警鐘を鳴らしていたように記憶している。

しかし、A,ビルバオのビエルサ監督やバルサのグアルディオラなど、データを駆使し、戦術を組み立てるケースが跋扈していることもあり、よい方向に進めばいいなぁと感じている次第。

ゴール判定もセンサー活用かなぁ。。

テクノロジーが進化すれど、人間はなかなか進化せんのよね。。。

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