2013年5月29日水曜日

顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門を読了!

顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門 (NextPublishing)
近年のビッグデータのブームの高まりから、アドテク業界から端を発したデータマネジメントプラットフォーム(DMP)についてをまとめた書籍。
満を持して出版された感がある。

トリプルメディアマーケティングの横山さんが監修をし、スケールアウトの菅原さん、プレインパッドの草野さんが著者に名を連ねる。

本書の内容は狭義(アドテクにおける)DMPではなく、各企業のプラットフォームになりうるプライベートDMPについてのことが多く書かれている。
過去の歴史を紐解いても、ストレージの性能向上によってDWHという概念が考えられたように、それに加えて、ソーシャルメディアの情報やペイドメディアの情報や効果測定データを一元管理してしまおうというのが主な考えである。

内容については至極ごもっともであるが、これはあくまで箱モノなので、ソフトウェアの視点が大事であると思う。まだ事例がないので、本書でもそういった視点についてはほとんど触れられていないことは残念だが、データマイニングの文脈然りで、全体を統括するマネージャーとそれらからインサイトを抽出し企画するマーケターの存在は重要になるだろう。
最終的に、マーケター側に負荷が少なくハンドリングできるような状態になれば、かなり躍進すると思うので、ぜひとも各企業のマーケターには横断的な情報統括プロジェクトを推進してもらいたいものだ。
そして、さらにその先には分析力の有無が企業の競争力を左右するので、そのフェーズには色々と活躍できるよう、経験値を貯めておきたい。

■目次
はじめに

第1章 DMPとは何か
1-1 データを駆使したデジタルマーケティング
1-2 DMPの役割と機能

第2章 DMPの代表的なプレイヤー
2-1 日本のDMP事業者
2-2 マーケティングテクノロジーのランドスケープ

第3章 DMP活用の視点
3-1 広告から見たDMPの活用
3-2 メディア側から見たDMP活用
3-3 広告主から見たDMP活用

第4章 広告主のデータ活用ステップ
4-1 広告主のDMP活用ステップ
4-2 プライベートDMPとプライベートDSP

第5章 プライベートDMPに向けた企業の課題
5-1 ビッグデータの現実
5-2 分析におけるサイクル
5-3 分析機能の確立
5-4 プライベートDMP構築の意味

第6章 DMP時代の組織と人材
6-1 データドリブンなマーケティングのための組織改革
6-2 DMP開発運用に必要な人材
【補稿】DMPは会社が変わる「きっかけ」となる

第7章 DMPの活用事例と業界展望
ゴルフダイジェスト・オンラインの中澤伸也氏に聞く 「ユーザーの状態に応じた高度なリマーケティングをプライベートDMPで実現する」
日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 代表幹事 本間 充氏に聞く 「ブランド間で顧客データの交換を実現させるには社内体制の改革が鍵になる」
対談 野内敦×横山隆治 「DMPで新たなオウンドメディア施策、マーケティング施策の道が開ける―データセントリックの時代が来た」

付録 海外のDMP動向
海外DMPの動向

2013年5月23日木曜日

売り方は類人猿が知っているを読了!

売り方は類人猿が知っている(日経プレミアシリーズ)

マーケティング界隈では著名なルディー和子さんの著書。
気にはなっていたものの、手は出していなかったが、最近新著も出されたようで、その宣伝のブログに興味を持って、読んでみた。

内容は「進化人類学」と「心理学」をマーケティングに活かしたような内容でとても面白かった。
特に過去の進化の歴史と脳の構造。とりわけ報酬系などの論点は大変面白かったし、いい気づきももらえたかなと思う。

やはり小手先のマーケティング論よりも人間の本能や脳の構造から得た論拠はとても説得力があるなぁ。ニューロマーケとか少し前に流行ったけど、やっぱりfMRIとか機材高すぎて、なかなか普及しないよね。ライフログツールとしてそういったものを記録・蓄積できるようになれば、もっと革新的に変化していくんじゃないかな。
とにかく、新著も読みたくなる興味深い1冊でした。

■目次
第1章 不安なホモサピエンスはモノを買わない
第2章 人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える
第3章 金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる
第4章 自動車の売上と孔雀の羽との関係
第5章 感情と記憶が長寿ブランドをつくる
第6章 人間も進化の歴史から逃れられない

2013年5月19日日曜日

講演録 若者よ、アジアのウミガメとなれを読了

講演録 若者よ、アジアのウミガメとなれ

2012年12月に神戸大学の起業家精神育成ゼミナール主催で行われた、加藤順彦氏の講演の収録らしい。

Kindleでセールとなっていて、ちょっとした興味もあったので、購入してみた。
著者の加藤さんはtwitter上ではちらほら見かけるのだが、シンガポールで起業し、海外に進出する手助けをされている方だと知ったのは本書を読んで。

ウミガメの由来は本書を読んでほしいが、彼の主張するようにたしかに海外で起業して日本に凱旋してくる起業家というのは圧倒的に少ない気がする。そもそも、あまりそういった観点で考えたことがなかったので、視野を広げてもらえたと言っても過言ではないだろうと思う。

後半部分で風を掴む必要があるとの主張があるが、マーケットの考えでもまさに共通する部分だ。αではなくβを取りに行く戦略だが、βを掴む話でもこのような展開方法があるとは想像していなかった。
アジアの世界をちょっと覗いてみたいと切に思ったので、ちょっと今年は行ってこようかなと思う。
ライトながらもすごくインスパイアされる良作でした。

【目次】
■はじめに ~あいさつ
~本編~
●海外で起業した日本人の絶対数が足りない!
●日本は外からの刺激を受けやすい国
●大学在学中、軽い気持ちで起業に参画
●異常な状況が自分にとっては普通なことに
●アイドルにハマる感覚で企業にのめり込む
●日本で初のダイヤルQ2専業の企業を立ち上げる
●順調に拡大していった産業に問題が発生
●突然のルール変更によって会社が倒産
●会社経営、ベンチャーの怖さを身をもって思い知る
●会社を失ったことで自らの志を改めて思い出す
●友人たちの頼みにより特に何の知識もなく広告代理店を始める
●成長産業の追い風をつかむことが成功の秘訣
●成熟産業には成長の限界があることに気づく
●インターネットが新しい産業になると直感する
●大手が参入できない市場こそがベンチャーの活躍の場
●大手が参入しないのは、訳がわからないから
●大手の競合にならず、自由に堂々と成長できるのが新しい市場
●ベンチャー企業に投資をし、成長とともに歩む幸せを実感
●若者の企業、ネットビジネスが世間で否定され始める
●売上が半減して、毎月の資金繰りに四苦八苦
●日本国内での椅子取りゲームの椅子は減り始めている
●ベンチャー企業にかつてないほどの向かい風が吹く
●インターネットは一部の国のものから世界中の人のものに
●これからはアジアが豊かになると気づかされる
●アジアのベンチャー企業家の活躍に驚きの連続
●スポイルされないためにはウミガメになるしかない!
●国民の10%以上が海外へと進出している韓国という国
●『出なくてはいけない』ではなく『出るべき』なのである
●世界最大の金融センターであるシンガポール
●シンガポールが世界で最も外国人がビジネスしやすい国の理由
●シンガポールから「アジアのウミガメ」を創る
●成長の波というのは探している人にしか見えないもの
●ホーチミンのバイクには、行方などない
著者より ~あとがきにかえて

2013年5月11日土曜日

ウルトラセブンシリーズを鑑賞した



なんとなく、先月からずっと見続けていたウルトラセブンを最終話まで見た。

ウルトラシリーズは子供の頃から好きでウルトラマンやタロウ、レオなどを見ていた。
しかし、このセブンのシリーズは小さい頃はあまり面白かったという印象はなく、かつ画像が暗くてよくわからないというイメージだった。

wikiにもこう書いてある。
遊星間侵略戦争により地球が多くの宇宙人に狙われているという新たな世界観が加味されている。そのため、地球防衛軍という世界規模の軍事機構が組織されているという設定が導入され、ドラマも敵対的な宇宙人に対する諜報戦として描かれることが多いなど、軍事色が強い作品カラーになっている。また、個々のエピソードについてもドラマ性が重視され、娯楽作品の枠にとどまらない傑作を生み出した。宇宙人やその手下である怪獣あるいはロボットも「地球を狙う侵略者とその生物兵器またはロボット兵器」という趣が強くなって個々のキャラクター性が薄められ、劇中では名前すら明らかにされないケースも存在した。この点は、怪獣のキャラクターを重視し、オープニングで怪獣名を出している『ウルトラマン』と大きく異なる点である。
かなりストーリー性は強かったように感じる。

また、侵略者なので、単純に怪獣が出てくるという特撮物ではなく、過去の時代を風刺した侵略方法などもあり、とても楽しめた。
ただ、全体感などはとてもよいのだが、話のディテールがめちゃくちゃ粗いので、それはそれで突っ込みどころ満載で面白かった。

なんとなく、この後、ダンが隊長として地球に戻ってくるレオを見たくなったので、この後はレオを見ようと思う。
興味あれば、ぜひ。

2013年5月5日日曜日

知の逆転を読了した

知の逆転 (NHK出版新書 395)

知の逆転は新書であるが、非常に興味深い学者や研究者たちのインタビューで構成されている。

銃・病原菌・鉄のジャレド・ダイアモンドを筆頭にチョムスキーやサックス、ミンスキー、レイトン、ワトソンと希代の人物が目白押し。各人の書籍や研究への入り口へはちょうどよいだろう。

話題の振幅も非常に大きい。文化や歴史の話から資本主義、音楽、教育、機械や人工知能、インターネットに加えてバイオインフォマティクスに至るまで、幅広い話題である。読書好きにはたまらない。

ネタバレにはなるが、各章に偉人の一言が紹介されているのがすごくいい。

1、まえがき
最も尊重せねばならぬのは、生くることにあらず、よく生くることなり(ソクラテス)
いかに生きるかを学ぶには全生涯を要す(セネカ)

2、1章
思い煩うことはない。人生は無意味なのだ。(サマセット・モーム)

3、2章
博学はまだ判断ではない(ゲーテ)

4、3章
人生は経験だ。経験は多いほどいい。(ラルフ・ワルド・エマーソン)

5、4章
人生は自分探しじゃない。自分作りだ。(バーナード・ショー)

6、5章
20年後に人は、やったことよりやらなかったことを悔いるものだ。だから、網を放ち港を出、帆を揚げ風を捉えて、探検せよ、夢見よ、発見せよ(マーク・トウェイン)

7、6章
理性は情熱の奴隷であるべきだ(デイビット・ヒューム)

また、各章の終わりには彼らからの推薦図書などもあり、ハイコンテクストのプロセスの一部分をトレースすることが可能だ。
知的刺激にあふれた1冊。オススメです。

■目次
第1章 文明の崩壊(ジャレド・ダイアモンド)
第2章 帝国主義の終わり(ノーム・チョムスキー)
第3章 柔らかな脳(オリバー・サックス)
第4章 なぜ福島にロボットを送れなかったか(マービン・ミンスキー)
第5章 サイバー戦線異状あり(トム・レイトン)
第6章 人間はロジックより感情に支配される(ジェームズ・ワトソン)

2013年5月4日土曜日

リベラル・アーツとスペシャリスト

知人と酒を飲みに行くまでに少し時間があるので、ちょっと文筆でもしようかな。

たまたまネットをブラウジングしていたら、下記のような本を見つけた。


教養。よく、リベラル・アーツとか言われるもの。
最近はアベノミクスでわずかながらに好況感を呈してきているものの、景気の先行指標としてみる株価の上昇は2年くらい早い(過去は。今はどうかわかりません)のだが、長年の不況により、専門性を求められる記事や本などを目にする。

先日書評をあげた機械との競争も似たようなものだし、ワークシフトなどもそうだろう。
機械との競争を読了!

大学などの高等教育に場を移していくにつれて、徐々に専門性を高めて行く一方、学部生などは教養を求められるケースが多い。
それまでの小学校から高校までは多くて9教科という枠組みでの教育指導要綱なので、どうしても教養を育むには枠が足らないのだろう。
経済学を例にすれば、現実的な問題であるファイナンシャル・リテラシーの教育の場がないし、家庭科で一部指導されるくらいだ。

しかし、主体的に取り組むべき学徒において、過去の指導要綱から踏み出してリベラル・アーツを学んで行こうとする意味合いがなかなかわからない点もある。

どこでその重要性に気づくかといえば、卒業後に社会に出て、日々の現実問題に向き合った時に相違ないだろう。
今もなお、それは実感値として痛感する。

だけど、じゃあ、どういう方向性で身につければ良いのかという問題があり、時間とのトレードオフもあるので、全てにおいて精通することはできない。
特にスペシャリストとゼネラリストで語られることが多い、最近のビジネスパーソンだが、ゼネラリストは置いておいて、スペシャリストにリベラル・アーツは必要ないのか?という疑問がわく。

多くの場合、スペシャリストにおいては、広範な教養を持ち合わせていないケースが多いような気がする。そのランチェスター的な一極集中の専門性の研磨がスペシャルな価値を帯びるのもまた真であるから。

しかし、他の大学とは異なり、東京大学では駒場でリベラル・アーツを学ぶステップがあり、そこで要件を満たさなければスペシャリストへの道は志向できないのである。
最高学府たる所以でそうなのか、そもそもスペシャリストにも広い教養が必要なのかという思想を張り巡らせるのにいい材料だなと思った次第だ。

今、ちょうどこれから羽生さんの本を読もうと思っているのだが、人生の選択という意味でも、何を選択し、何を捨てるのか、こういった観点はやはり重要であるなぁと思うGWな今日このごろ。


では、飲みに行ってきます。

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