2013年7月20日土曜日

Gene Mapperを読了!

書いてなかったので、ブログに書こう。

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)
Gene Mapper
知人に紹介してもらって、SF好きにはもってこいとのことで、Kindleで読んでみた。どうやらセルフパブリッシングで反響を呼んだ作品を書店が編集し直したもののようである。

舞台は近未来。
概要を引用しよう。
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拡張現実が広く社会に浸透し、フルスクラッチで遺伝子設計された蒸留作物が食卓の主役である近未来。遺伝子デザイナーの林田は、L&B社のエージェント黒川から自分が遺伝子設計した稲が遺伝子崩壊した可能性があるとの連絡を受け原因究明にあたる。ハッカーのキタムラの協力を得た林田は、黒川と共に稲の謎を追うためホーチミンを目指すが‥
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最近ではGoogle Glassも出て、拡張現実はまずますメガネ型のものであることが具現化されて来ているが、本書ではさらに網膜に近いコンタクト型のAR世界が描かれている。構想自体はすでにあるので、珍しくはないが、その描写に舌を巻いた。

また、本書はバイオインフォマティクスの内容を多く取り入れていることも興味深い。あまり馴染みはないのかもしれないが、1サンプル200GBの遺伝子構造を持つという内容が出てくるのだが、これは非常に興味深いところである。
マイクロアレイだと容量的にはどうなのだろう。バイト演算で試算してみようか。
アバターに関する記述も興味深い。

プログラムにおける浄化作用設計の組み込みという、あまり意識したことのない点も興味深い。基本、ゴーイングコンサーンな視点で設計される事も多いので、自立型のプログラムもといAIには必要な視点であるかもしれない。

物語も総じてスリリングに進行するし、SF好きにはホントにもってこいな内容であると言える。
こういう作品、もっとたくさん読みたい。
★5つ!ハヤカワさん、次もよろしくです。

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