2016年12月17日土曜日

クラウド アトラスという映画が秀逸だった



2013年とかの少し前に公開された映画だが、たまたまSF好きな私が見ても唸る内容だったので、備忘録しておく。

ネタバレはしないように思ったことなどを中心に書く。
一応あらすじ
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1849年、太平洋諸島。若き弁護士に治療を施すドクター・ヘンリー・グース(トム・ハンクス)だったが、その目は邪悪な光をたたえていた。1973年のサンフランシスコ。原子力発電所の従業員アイザック・スミス(トム・ハンクス)は、取材に来た記者のルイサ(ハル・ベリー)と恋に落ちる。そして、地球崩壊後106度目の冬。ザックリー(トム・ハンクス)の村に進化した人間コミュニティーのメロニム(ハル・ベリー)がやって来て……。
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本編では6つのストーリーが同時に進行する。
最初はこの設定を入れないと少しばかり混乱する。

過去、現在、未来のそれぞれの時代を描いた物語。
そして、それがどこかでつながっている。
そのためのメタファーとして関連ワードや人物、俳優のシャッフルなどの演出がなかなかにくい。

クラウド アトラス6重奏の伏線が徐々に拾われていく様はなかなか快感だ。
全体を通して3時間弱あるが、先が読めないので、時間をそれほど感じさせない。

久々にこのマルチストーリーの秀逸作を見て気持ちがよかった。
監督はマトリックスシリーズのウォシャウスキー姉弟とのこと。
なるほど納得。
SFの箇所の描き方もなかなかよかったけど、個人的にはこの6つの展開から回収の仕方がよかった。
バベルを思い出した。

映画「BABEL」を観ました

同時多発性のストーリーがおそらく想起させている。
しかし、本作は時間軸のズレもあるので、バベルが水平展開であるとすればクラウドアトラスは垂直展開であるだろう。

また、このような展開をすると村上春樹の神視点のようなものが気になるところ。
村上春樹の世界

しかし、今回は語り部がいて、そこからストーリーが始まっているので、よくわからない第三者ではない。あとは各ストーリーの主客がはっきりしているので、その点も没入感には影響がないのが素晴らしい。

トムハンクス、ハルベリーといった大物が主演なんでしょと思ったけど、全体感はそうなのだが、いわゆる主役感は薄い点もまた新鮮味があってよかった。
こんな試みをしてくるウォシャウスキーさんたちには今後も攻めた設定の映画を作り続けてもらいたいものだ。

全くゼロからのJクラブのつくりかた サッカー界で勝つためのマネジメントを読了した

全くゼロからのJクラブのつくりかた サッカー界で勝つためのマネジメント
SC相模原の望月さんの書籍。
おそらく相模原のことについて知ったのは本書内にもあるNewsPicksの記事であったように記憶している。
もちろんサッカーは普段見るので、JFLのチーム、J3のチームとしてのSC相模原は認識していたが、その生い立ちや代表が元Jリーガーの望月さんである点など色々と知ることができてよかった。

相模原の居酒屋での依頼がきっかけでJクラブを作り、そのままあれよあれよとJクラブまで成長させるのは素晴らしいことだ。
私も過去にそのように市民クラブが立ち上げられればいいなと思ったことはあるが、なかなかこのようなシンデレラストーリーにはできない。
相模原はまずはJ2に上がってきてもらいたい。そのためにもスタジアムの基準をクリアしたいですね。
堀江さんとの対談でもあったけど、吹田のスタジアムが寄付で造られて市に寄付、運営をクラブに委託するということで税金回避するモデルは他のクラブも取り入れるべきですね。
その辺は千葉ロッテの取り組みが証明済み。

あとは選手として一流の監督や仲間とともに色々と吸収してきたという望月さんのキャリアも非常に参考になる。
これまた良作であった。


▪️目次
第1章 最速でJ参入を果たした成功メソッド
第2章 サッカー界で生き残るための組織論
第3章 まるでリアルサカつく クラブ経営の醍醐味とは
第4章 クラブファースト かけがえのない相模原という存在
第5章 突然の「余命宣告」 波瀾万丈の選手時代
第6章 3人の外国人監督と1人の妖精 偉人たちに学んだ人生哲学
第7章 J3からの挑戦 日本サッカーの未来のために
第8章 ビジネスをサッカーに置き換えると問題が解決する
最終章 僕が僕である理由
[特別対談]堀江貴文さんと考える〝Jリーグの明るい未来〟
全くゼロからのJクラブのつくりかた サッカー界で勝つためのマネジメント

急いてはいけない 加速する時代の「知性」とは を読了した

急いてはいけない 加速する時代の「知性」とは (ベスト新書)
久々に本を探索していた時にオシムさんのこの書を見つけた。
思えば幾年も経過したが、自分が読書を習慣づけるきっかけとなったのが木村さんの「オシムの言葉」であった。
あの書をゲレンデへ向かうバスの中で貪るように読んだことを今でも覚えている。
やはり今でも多くのインプリケーションをもらえるオシムさんには本当に感謝しかない。

本書においてもオシムチルドレンのJリーガーたちの質問なども記載がある。
私は特に印象に残ったのは水野晃樹選手の質問だ。

「昔のプレースタイルを追い求めるのをやめ、新しいプレースタイルを追求したほうがよいのでしょうか」

オシムによって成長し、一時はセルティックに移籍、その後紆余曲折を経てジェフに復帰するが昨シーズンは仙台。そして今季は引退をしてしまった選手だ。

彼はナビスコカップで2年連続タイトルを取った際にニューヒーロー賞を獲得し、向かうところ敵なしなウインガーだったが、その持ち前の個性が少し仇となり、年齢に応じた衰えに対応できなかったようだ。
結局年齢に応じた追求をする前にスパイクを脱ぐ決断をしているが、それはそれで1つのストーリーの終焉で感慨深い。

このように重厚なスチーリー性を帯びる媒介としてのオシム氏の発言はとても気づきを得られる。
サッカーファンのみならずとも、ぜひとも読んでもらいたい1冊だ。

▪️目次
はじめにー田村修一・訳者
第1章 「日本」のあり方
・日本の特質について・日本人のリーダーに望むことetc.
第2章 「チーム」のあり方
・「上司」と「部下」はどうあるべきか・キャプテンの適性etc.
第3章 「個」のあり方
・コレクティブな日本人とは・ストレスに悩む者はいるのかetc.
第4章 「サッカー」のあり方
・サッカーをどう考えるか・日本のサッカーが目指すものetc.

2016年12月15日木曜日

10年戦える分析入門 ~SQLを武器にデータ活用時代を生き抜く~

この記事は技術書献本感謝Advent Calendarの16日目の記事です。

私は本書のレビュワーを担当しました。

そのため、献本いただけたという背景があるのだが、改めて素晴らしい本なので、
このAdvent Calendarでも再度感謝というコンテキストを含めて紹介したいと思う。

著者とは職場で出会った。その職場はメンター制度があり、入社した社員に先輩社員が1人つくという制度があった。まあ、実際は飯食いに行ったり、酒を飲みに行ったりコミュニケーションする目的だったようだが、そのメンターとして筆者に割り当てられたのが、本書の著者である。

当初はそんなにすごい人だとは知らなかったが、過去の著作もなかなかBigなものもあり、
一流のエンジニアであることは仕事ぶりからも明らかだった。
当時、データ分析を売りにしていたために、いろいろな相談をしているうちに、本書を執筆する計画を打ち明けられた。

しかし、本人はなかなか筆が進まないという状態だった。
SBクリエイティブの新レーベル1発目ということもあり、データ分析にまつわる良書になる予感がしたので、その際にレビュワーとなることを申し出た。
そして、本書の対象読者がデータを扱うWebディレクター(またはそういう人と一緒に働くことになったエンジニア)であったため、同僚ディレクターやエンジニアも強制的にレビュワーに参加させられ、それ用の目的チャットが作られ、著者の進捗をサポートし始めた。

当初は毎週1章ずつ原稿が送られてきて、それをレビューするという方式だったのだが、著者が有給や週末なども使い始め圧倒的な進捗を出し始めたのち、残りの章がドカッと送られてきたことを覚えている。
全てはレビューしきれなかったが、8割以上はレビューをし、表現の修正などは一定のフィードバックをできたのではないか。

実際、本書が出版されてから、私は宣伝ぶちょーとして、この本をプッシュしてきたが、
職場が変わった今でもなお、ディレクターに本書をお勧めしている。
つい最近も社内の情報共有ツールにイントロダクションとエスカレーションの意味で本書への推薦をつけたばかりだ。

タイトルも非常に煽り感のあるタイトルではあるが、プログラミング言語の趨勢はとても早く、時には数年で枯れてしまったり、リプレイスされてしまうこともあるが、SQLを扱えれば10年は戦えるとは言い得て妙であるだろう。
さすがの一言である。

著者にその気があるかはわからないが、本書をリプレイスするものはぜひ青木さんに執筆いただきたいものだ。

改めて本書の執筆プロセスに関われたこと、そしてご恵贈いただいたことを感謝したい。

2016年12月14日水曜日

「みんなのR」を紹介しよう

この記事は技術書献本大感謝AdventCalendar15日目の記事です。
私からは「みんなのR」を紹介させていただきたい。


まず最初に謝らなければならないのは、本書の発売は20150630日である点。
つまり昨年である。今更なぜこれをという方もいるだろうが、なかなか書けなかった理由もあり、そのためにも今回このAdventCalendarに参加したので、ご容赦いただきたい。

そう。私が本書を献本いただいたのも、ちょうど昨年の今頃だったのだ。
訳者の一人、牧山さんのご好意により、冬の忘年会シーズンにいただいた記憶がある。

2016年、R界隈ではよりHadley Wickham氏の成果が凄まじく、HadleyVersetidyverseと呼ばれるように彼の成果によるパッケージに恩恵を受けているユーザーも多いことだろう。

みんなのRも元々はニューヨークのJared P. Landar氏による著書をTokyoRの有志メンバーが翻訳することで出版されたものだ。
1年半という歳月は流れたものの、まずRに触れてみるという観点において、この書籍が最も適していることは認めてもよいところだろう。
下記に目次の構成を示す。

目次
1 Rを手に入れる
 1.1 Rのダウンロード
 1.2 Rのバージョン
 1.3 32bit64bit
 1.4 インストール
 1.5 Revolution R Community Edition
 1.6 まとめ

2 Rの環境
 2.1 コマンドラインインターフェイス(CLI)
 2.2 RStudio
 2.3 Revolution Analytics RPE(R Productivity Environment)
 2.4 まとめ

3 Rパッケージ
 3.1 インストールパッケージ
 3.2 ロードパッケージ
 3.3 パッケージの作成
 3.4 まとめ

4 Rの基本
 4.1 基本的な数学
 4.2 変数
 4.3 データ型
 4.4 ベクトル
 4.5 関数(Function)の呼び出し
 4.6 関数ドキュメント
 4.7 欠損値
 4.8 まとめ

5 高度なデータ構造
 5.1 データフレーム(data.frame)
 5.2 リスト(List)
 5.3 マトリックス(Matrix)
 5.4 アレイ(Array)
 5.5 まとめ

6 Rへのデータ取り込み
 6.1 CSVの読み込み
 6.2 Excelの読み込み
 6.3 データベースからの読み込み
 6.4 他社統計ツールからの読み込み
 6.5 Rバイナリファイル
 6.6 Rに入っているデータ
 6.7 Webサイトからの抽出
 6.8 まとめ

7 統計的なグラフィクス
 7.1 基本グラフィクス
 7.2 ggplot2
 7.3 まとめ

8 Rの関数を書く
 8.1 ハロー、ワールド!
 8.2 関数の引数
 8.3 値の返却
 8.4 do.call
 8.5 まとめ

9 制御文
 9.1 ifelse
 9.2 Switch
 9.3 ifelse
 9.4 複合テスト
 9.5 まとめ

10 ループ:Rの方法ではない反復方法
 10.1 forループ
 10.2 whileループ
 10.3 ループの制御
 10.4 まとめ

11 グループピング操作
 11.1 Applyファミリー
 11.2 aggregate
 11.3 plyr
 11.4 data.table
 11.5 まとめ

12 データ整形
 12.1 cbindrbind
 12.2 Join
 12.3 reshape2
 12.4 まとめ

13 文字列操作
 13.1 paste
 13.2 sprintf
 13.3 テキストの抽出
 13.4 正規表現
 13.5 まとめ

14 確率分布
 14.1 正規分布
 14.2 二項分布
 14.3 ポアソン分布
 14.4 その他の分布
 14.5 まとめ

15 基本統計
 15.1 要約統計
 15.2 相関と共分散
 15.3 t検定
 15.4 分散分析
 15.5 まとめ

16 線形モデル
 16.1 単回帰
 16.2 重回帰
 16.3 まとめ

17 一般化線形モデル
 17.1 ロジスティック回帰
 17.2 ポアソン回帰
 17.3 その他の一般化線形モデル
 17.4 生存時間分析
 17.5 まとめ

18 モデル評価
 18.1 残差
 18.2 モデル比較
 18.3 クロスバリデーション
 18.4 ブートストラップ
 18.5 ステップワイズ変数選択法
 18.6 まとめ

19 正則化と縮小
 19.1 Elastic Net
 19.2 Bayesian shrinkage
 19.3 まとめ

20 非線形モデル
 20.1 非線形最小二乗法
 20.2 スプライン
 20.3 一般化加法モデル
 20.4 決定木
 20.5 ランダムフォレスト
 20.6 まとめ

21 時系列と自己相関
 21.1 自己回帰移動平均
 21.2 VAR
 21.3 GARCH
 21.4 まとめ

22 クラスタリング
 22.1 K-means
 22.2 PAM
 22.3 階層型クラスタリング
 22.4 まとめ

23 knitrパッケージによる再現性・レポートとスライドショー
 23.1 Latexプログラムのインストール
 23.2 Latex 入門
 23.3 Latexを使ったknitr
 23.4 マークダウンのヒント
 23.5 knitrとマークダウンの利用
 23.6 Pandoc
 23.7 まとめ

24 Rパッケージの構築
 24.1 フォルダ構成
 24.2 パッケージファイル
 24.3 パッケージドキュメンテーション
 24.4 チェック、構築とインストール
 24.5 CRANへの登録
 24.6 C++コード
 24.7 まとめ

いかがだろうか。
強いて難点を挙げるとするのであれば、この1年半で進化したデータ操作に関する箇所は今の水準にはないかもしれない。
{dplyr}{tidyr}などがないからだ。
また、DeepLerning系のパッケージやKaggleなどで流行ったxgboostなどもないが、それは次のステップでもよいだろう。

私がR入門者にオススメを聞かれても今の時点では本書をオススメするだろう。

ということで、本書のご恵贈を改めて感謝する次第だ。

2016年12月3日土曜日

stan本で私もデビューできました

本記事はStan Advent Calender3日目の記事です。
stanというツールを知ってから、しばらく時が経過しますが、なかなか導入に踏み切れていませんでした。
私はR言語をよく使いますが、昔はstanをRから呼び出すのも苦労があった時代もあったりして、ハードルが高いなという印象があったり、なかなかHMCを活用したサンプラーによりシミュレーションを行うモデリングまで現実の問題を落とし込めていなかったりしていたからでした。

しかし、2016年はそんな過去の時代とは違います。




2016年10月末に革命的な本が出されました。
これにより、現在stanによるベイズモデリングが一部地域でかなり流行っています。

この本の構成としては下記のような目次になっています。

第1部 導入編
統計モデリングとStanの概要
ベイズ推定の復習
統計モデリングをはじめる前に
第2部 Stan入門編
StanとRStanをはじめよう
基本的な回帰とモデルのチェック
第3部 発展編
統計モデリングの視点から確率分布の紹介
回帰分析の悩みどころ
階層モデル
一歩進んだ文法
収束しない場合の対処法
離散値をとるパラメータを使う
時間や空間を扱うモデル

Stanの本とはいえ、まず初めにベイズ推定の復習や統計モデリングを始める前に考えておかなければならない観点が丁寧に解説されています。
ここは非常に重要だと思います。
機械学習の方面でもまず複雑なアルゴリズムありきで話題を始めてしまう例もよく見受けられてしまうのですが、モデリングにおける試行錯誤の重要性はスモールスタートであることを改めて思い知らされます。

また、stanでのモデリングに必要な確率分布の説明も非常に丁寧です。
日常確率分布に多く触れる人も少ないはずですから、このような解説記事と共に掲載されているのは著者の配慮によるところでしょう。

MacOSによるstanの準備


著者がWindows環境なので、Macの場合の準備の手順を紹介します。
step1.Rをインストールする またはアップデートする
まずはお手持ちのMacにRをインストールしましょう。
またすでにRが入っている場合は適切なVerにアップデートしてください。
こちらのリンクからCRANの各mirrorサーバーからダウンロードできます。

次にRstudioをインストールしましょう。
Rstudioはこちらから入手できます。
またXcodeをお持ちでない場合はAppStoreからXcodeを入手しましょう。

rstanのインストール

install.packages('rstan',dependencies=TRUE)
これで準備完了です。

Stanの基本的な文法

stanコードの基本的な構成は下記の通り3つのブロックになっています。

data {
データYの宣言
}

parameters {
サンプリングしたいパラメータθの宣言
}
model {
尤度p(Y|θ)の記述
事前分布p(θ)の記述
}

コーディング規約

松浦さんによる最低限守るべきルール
1、インデントは必ずする
2、データを表す変数の先頭の文字を大文字にし、パラメータを表す変数の先頭の文字を小文字にする
3、各ブロックの間は1行開ける
4、変数名はcamelCase(単語の区切りが大文字)ではなく、snake_case(単語の区切りがアンダースコア)にする
5、「~」(確率的な生成)「=」(代入)の前後は1スペース開ける

普段、Rを使っている とstanコードの記述は少し独特なので、この辺のコーディング規約は業界標準として成り立つと良いと思いますね。

さて、これでスタートラインに立つことができました。
非常にお手軽ですね。
実践的な解析例はStan Advent Calenderの他の記事に譲るとして、他国の例を紹介します。

来る2017年1月にstan conference 2017が開催されるようです。
内容を見ていると、stanのイントロから各専門領域における使い方の紹介、そして発展系の内容の構成となっているようですね。

これはstan本でもすでに実現している構成ではありませんか?
このstan本を読めばある程度のグローバルスタンダードに立つことができるかもしれません。ありがたいですね。
それでは、皆さんもこの本を携えて、stanでモデリングの海に飛び込みましょう!

2016年12月1日木曜日

ザ・会社改造--340人からグローバル1万人企業へを読了した!

ザ・会社改造--340人からグローバル1万人企業へ
V字回復の経営や戦略経営プロフェッショナルなどの著名な作品で知られる三枝さんの渾身の1冊。

間違いなく私が今年読んだ中でベストに面白かった1冊といっても過言ではないものでした。

なぜか。

三枝さんの著書はV字回復の経営を読んだことがあります。
これはターンアラウンドマネージャーとして会社を再生させた自身の体験をフィクションにしたもので、それでも名著として知られているもの。
しかし、個人的にはどこか現実感がない。切迫感がない、熱量を感じない気がしました。
おそらく自身の体験を抽象化したためにそういったことが起きたのでしょう。

さて、そこで、本作がなぜそれを大きく上回るのかといえば、自身の経営人生をかけて挑んだミスミでの回顧録を包み隠さず出しているからに他ならないからです。

登場人物も実在の人なので、かなりのリアリティがあります。経営者としてどういう意図を持って人事を抜擢し、そこからハンズオンさせていったのか。また社員の当時の回顧録も記載することで多面的に立証するストーリー構成になっていました。
とても熱量の高い物語です。

奇しくもミスミという会社とご縁があった過去もあり、その経験がさらに本書の内容を面白いものにしてくれました。
こういう環境だったのだな。当時の自分の苦しかったこともどこか納得できる内容であったということもあり、非常に読み応えのある、かつ学びの多い書籍でした。
間違いなく星は5つで。ぜひぜひ読んでみてほしい1冊です。


▪️目次
(会社改造1) 「謎解き」で会社の強み・弱みを見抜く
創業40年で売上高500億円だった上場会社をわずか4年で1000億円に伸ばし、世界大不況を乗り越えて2000億円超の企業に変身させた経営者は、あらかじめどんな「謎解き」をして会社改造に乗り出したのか。

(会社改造2) 事業部組織に「戦略志向」を吹き込む
戦略とは何か。それを知らなかった事業部の社員たちは、のたうち回りながら「戦略シナリオ」を描き、売上高150億円の事業部を1000億円超のグローバル事業に成長させた。

(会社改造3) 戦略の誤判断を生む「原価システム」を正す
不正確な原価計算は重大な戦略的誤謬を生みかねない。世界の多くの企業が導入に失敗した「ABC原価計算」を、社員たちは日常的に使う戦略目的のシステムとして確立した。

(会社改造4) 成長を求めて「国際戦略」の勝負に出る
「海外に無関心、本社の海外事業組織はゼロ、戦略もなし」の状態から、13年後に海外社員7000人、海外売上高比率50 %に迫る国際事業へ。「世界戦略」はどのようにして構築され、実行されたのか。

(会社改造5) 「買収」を仕掛けて「業態革新」を図る
商社専業40年の歴史に別れを告げ、メーカー買収に踏み切ったミスミ。「事業モデルの弱点」を一挙に解き放つ業態変革を敢行した戦略の裏には、どのような「歴史観」が、そして「ねらい」があったのか。

(会社改造6) 「生産改革」でブレークスルーを起こす
現場の抵抗によって「死の谷」にまで追い込まれかけた生産改革は、何をきっかけにして蘇ったのか。トップと一体になった知的戦いと汗まみれの現場改善は、ミスミの業態に最も適した「世界水準の生産システム」を生み出す。

(会社改造7) 時間と戦う「オペレーション改革」に挑む
以前であれば600人でやっていたはずの仕事を、いまはわずか145人でこなせる体制に。カスタマー・センターで行われた、汗と涙と我慢の「業務改革のステップ」とは何だったのか。時間と戦うオペレーションとは?

(会社改造8) 「元気な組織」をどう設計するか
「組織末端やたら元気」と「戦略的束ね」の両立が会社の理想。だが、日本の経営の実験場として試行錯誤を重ね、高い成長率を生み出した「ミスミ組織モデル」にも大企業病の脅威が迫る。

2016年9月10日土曜日

データサイエンスLT祭りでLTした

やまかつさんが黒帯の最後の火を盛大に灯す目的で開催されたデータサイエンスLT祭り1日目が先日開催された。

そこで身も蓋もない発表をしてきた。

色々と楽しい話も聞けてよかった。

まとめてくれた人がいるので助かる。
データサイエンスLT祭り 1夜目の資料まとめ

2日目も来週にリスケになったが、あるようなのでぜひぜひご参加を。
データサイエンスLT祭り2日目

終わった後にやまかつさんオススメの店で食べた餃子が普通だった。

GCP_NEXTの後の#bq_sushiに登壇しました

今週GoogleさんのイベントGCP Nextが開催された。
最新のGCPネタが話されたようだ。

その後のコミュニティイベントで#bq_sushiが開催され、会社での取り組みを発表してきた。


これまでAWSやTreasure Dataなどは使ったことがあったが、GCP系のプロダクトは初めてだったので、先進的な取り組みではないが、導入するまでの苦労話や導入後の活用、どんなメリットがあったかを話せてよかった。
貴重な機会をいただけて感謝。

会場の雰囲気






2016年8月7日日曜日

殺戮にいたる病を読了した

殺戮にいたる病 (講談社文庫)
我孫子武丸さんといえば、サウンドノベルシリーズでのかまいたちの夜が邂逅だった。
彼の紡ぐ物語はどこか戦慄させながらも話を進めさせる強制力も持つ不思議な力を持つと思っていた。

読みたいと思っていた彼の伝説的な作品をついに読了した。
タイトルの所以はキルケゴール。賢明な皆様には周知の作品。

結論から言うと、戦慄したというのが正直な所だ。
こんなにもスムーズに2周目に進めさせる小説はない。
内容も時にグロテスクな表現が多く、みなに進められるかといえば、そうではないが、これは大変に素晴らしい傑作であると思う。

正直、グロ描写が繰り返されていた時、読むのを離脱しようとも思ったのだが、そのリフレインの効果も見越して徐々にそういったところも減っていく様も見事である。

こんなにしてやられたのは久々なので、筆が踊る。

2016年7月16日土曜日

岡崎慎司の未踏 ~奇跡の一年~ を読了した


奇跡の優勝を果たしたミラクルレスターに所属した岡崎のシーズンを振り返った書。

彼の今の地位や成功などになぜ至ったのかを読んでいるとひしひしと感じることができる。

チームメイトでよく出てくるのはインレル、ヴァーディー、マフレズ。
インレルは同じような心境を抱き、他の2名はリスペクトしながら次第にライバル心を燃やしていくということになっている。

レスターは偉業を成し遂げたが、岡崎自身は悔しいシーズンを送ったようで、ラニエリの信頼もまだ確固たるものではないようだ。

今の時期に読むには非常にいい。
これから移籍マーケットが開いて、選手の移動もあるだろうが、来季のCL挑戦なども楽しみである。

2016年5月7日土曜日

問題解決のジレンマを読了!

問題解決のジレンマ: イグノランスマネジメント:無知の力

問題解決のジレンマ ~イグノランスマネジメント:無知の力~を読了した。
本書の執筆者は細谷さん。

前回、この著者の「具体と抽象」を読んでとても良かったので、今作も期待大。
具体と抽象を読了!

まあ、結論から言うと今回もかなりの良書だった。
前作の議論をさらに発展させた内容だったと思う。
前作よりも内容とボリュームはアップしているが、価格は安くなっているという衝撃。
アリとキリギリスというポピュラーなメタファーで対立構造を持ちながら思考法を解説していくのはとても良かった。
定期的に見返したい内容だ。

目次
1 「知」と「無知・未知」―その構造を明らかにする
(「知らないことすら知らない」=「未知の未知」という死角「知」は事実と解釈の組み合わせ ほか)
2 「問題解決」のジレンマ―「問題解決」できる人は「問題発見」ができない
(「知(識)」のジレンマ「閉じた系」のジレンマ ほか)
3 「アリの思考」vs.「キリギリスの思考」―問題解決から問題発見へ
(「アリの思考」と「キリギリスの思考」の違い「ストック」から「フロー」へ ほか)
4 問題発見のための「メタ思考法」―次元を上げて問題を発見する
(上位概念と下位概念「抽象化・アナロジー」で次元を上げる ほか)

それぞれのチャプターにサマリがあるのも良い。




2016年3月13日日曜日

我らがジェフ千葉の大改革の軌跡を期待したい

フットボール批評issue10

今、フットボール批評を読んでいる。
これ自体がジャーナリズムの塊なので、書評はまた別にまとめたいが、特集の中にジェフ千葉のものがあった。

ライターはおなじみ西部健一さんだ。
西部さんの慧眼はいつもありがたく、こういう重鎮がいちJ2クラブに張り付いて(というわけじゃないけど)、継続的に記事を書いてくれるのは非常にありがたい。

で、今季のオフに選手を大量に入れ替える大改革を敢行した我らがジェフ。
こんなニュースなどよく目にしただろう。


インタビューにおいても、昨年にGMに就任した高橋GMに西部さんがインタビューしているものだった。

サポーターとして、このオフの状況ははっきり言って愕然としたが、この整理における意図はまさにビジネス上のものによるものだという。
予算自体は実は潤沢であるので、それなりの選手を補強はできていたものの、いまひとつ結果がパッとしないのは、やはりJRと古河の連合であるが故の体質なんだろうなと思う。
その辺は祖母井さんの本でも垣間見えたことは記憶にある。

結局、移籍金の計上が実際の強化費を大きく圧迫していたという事実があったのだという。Jリーグクラブのビジネスのやり取りの下手さは今に指摘されたことではないが、主に放出時の移籍金なしの事例でC大阪などが挙げられるが、最近ではFC東京がその辺はうまくスキームを構築しているし、やってできないことはないんだろうとは思う。

高額な移籍金は償却期間を3年としているようだ。つまり年俸+1/3移籍金というなかなかのものだということで、カターニャから来た森本なんかはそれなりにしたんじゃなかろうかと思っている。結果フロンターレに売却してある程度は相殺しているだろう。
その代わり船山を獲得しているのは、ややバーター感があるが、結果もでているし、まずまずの補強な気もする。

あとは育成とクラブ哲学の浸透という箇所も3年プロジェクトの一環にあげているようだ。
かつて、ジェフは育成が強いと言われていたはずなのだが、この10年ですっかりそれが変質してしまったのが、残念でならない。
J最多ゴールを更新している佐藤寿人もまさにジェフユース出身だし、オシムチルドレンの際はとても機能していたような気がするが、やはり色々と変わってしまうものだな。
諸行無常を常に感じる次第だ。

高橋GMは楽天に入社して神戸の強化を担当していたが、プロとして行うために退社、その後GMになって、今回の人事になってくるわけだが、34歳と若く、個人的にも年齢が近いので、このプロジェクトがうまくいくことを願いたい。
データ活用という点も着手しているようだ。
この辺も気になるところ。育成におけるデータ活用はかなり筋が良いのではと思う。SAPとかデータスタジアムとかと連携するんかな。

いちサポの思いとしてはフクアリは非常に良いスタジアムだし、タウンとしての機能も蘇我で芽が出始めているし、収容人数をもっと増やせるようにしてほしい。
3万人収容スタジアムくらいだとやっぱり迫力が出るし、いいだろうな。
吹田のスタジアムは非常に洗練されていたので、行ってみたいので、早くG大阪と対戦するって意味でもJ1に上がってもらいたい。

今年は残念ながらチバテレビがライブ中継してくれないので、非常に残念でしかないが、スタジアムに足を運んでこのプロジェクトの状況をしっかりと目に焼き付けよう。


2016年3月12日土曜日

インターフェースデザインの心理学を読了

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

けっこう前に出た本だが、未読だったので読了。
やっぱり当時の評判が良かっただけあって、とても良い内容だった。
ずっと見返したい1冊。
自分の引っかかったポイントを詳細にメモしたので、共有する。
いいデザインを常に目指そう。

1章 人はどう見るのか
- 001 目が受け取る情報と脳が私たちに伝える情報は微妙に違う
 - 脳は近似を作り出す。「カニッツァの三角形」、「ミュラー・リヤー錯視」
- 002 対象の「あらまし」をつかむのは中心視野より周辺視野の役目
 - 周囲を理解する上で大事な周辺視野
- 003 人はパターン認識で物を識別する
 - 物体認識のジオン理論(ものを認識するには基本的な立体を基準にしている)
 - 視覚野の華制度は想像している時の方が高い
- 004 顔認識専門の脳領域がある
 - 人間は他の人が見ているところを見る傾向にある
 - 決め手は目(モーフィング手法)
- 005 物はやや上から斜めに見た形で思い浮かべる
 - コーヒーカップの絵を描くと、標準的な視点からの絵となる
 - 標準的な視点を使うと万人受けしやすい
- 006 人は過去の経験と予想に基づいて画面を見る
 - Webで画面の端は見ず、意味のある情報に目を向ける
 - メンタルモデルによって行動する
 - 問題があると視野を狭める
- 007 人は手がかりを探す
 - アプリやウェブをデザインする際に画面上のオブジェクトのアフォーダンスを考慮する
 - ボタンに影をつけてアフォーダンス・キューとする
 - 最近はあまり考慮されなくなってきた
- 008 人は視野の中の変化を見逃すことがある
 - 人間はあることに集中していると、想定外の変化が起きた場合、それをあっさり見逃してしまうことがある
 - 視線追跡データは必ずしも正確ではない
  - 見たが、注意を払ったかはわからない
  - 中心視野しかわからない
  - 見ている最中の質問にバイアスがかかる
- 009 人は近くにあるものを同じグループだと思う
 - ひとつのグループとしてみてもらいたい要素はまとめる
 - 線や囲みの前に要素間の間隔を調整する
 - レイアウト上の工夫でなんとかなる
- 010 赤と青を一緒に使うと目への刺激が強すぎる
- 011 男性の9%、女性の0.5%が色覚異常
 - 色覚異常のチェックサイト(http://www.vischeck.com/
- 012 文化によって色の意味が変わる
 - 精神状態にも影響する

2章 人はどう読むのか
- 013 大文字がもともと読みにくいものであるという説は誤りである
 - 読む作業はサッカード(ジャンプ)と固視の連続
 - 文章を読むときには周辺視野を使っている
- 014 読むことと理解することは同じではない
 - 英文の可読性尺度:Flesch-Kincaid
 206/835-1.015(全単語数/すべての文の数)-84.6(全音節数/全単語数)
 - 表題と見出しは決定的に重要
 - 行為の種類によって使う脳の部位が変わる
 - 読んだもののうち記憶に残る内容は立場によって異なる
- 015 パターン認識のおかげでフォントが異なっても同じ文字だと認識できる
 - フォントを雰囲気やブランドイメージを醸し出したり、連想を呼び起こしたりするために使う
 - 読みにくいフォントを使うと文章の意味が欠落する
- 016 文字の大きさは理解度を左右する
 - フォントが同じでもエックスハイトで変わる
- 017 コンピュータの画面上のものは紙に書かれたものより読みにくい
 - 白地に黒文字が一番読みやすい
 - コントラストをつける
- 018 長い行のほうが速く読めるが一般には短い行のほうが好まれる
 - 一般に好まれるのはマルチカラムページ。ただし長い行の方が早く読める
 - 読まれる速度を重視するなら長くする
 - 速度が重要じゃないなら短くする

3章 人はどう記憶するのか
- 019 ワーキングメモリの限界
 - ワーキングメモリが活動していると脳が活性化する
 - ストレスによってワーキングメモリの効率が低下する
- 020 一度に覚えられるのは4つだけ
 - 人が一度に記憶できるのは5~9個で一度に処理できる情報の数は7±2
 - 情報をいくつかのまとまり(チャンク)に分けてグループ化すると拡張可能
 - 同時に覚えられるのは4個という4の法則は短期記憶だけでなく、長期記憶もあてはまる
- 021 情報を覚えておくには使うことが必要
 - 情報との接触を繰り返すとニューロンに発火の形跡が形成される
 - 痕跡が形成されると最初の刺激だけで残りの記憶も想起される
 - 新たな経験により作られる新たな回路は短期間で生成され、何かに対する考えや思い出す情報が永久に変わる
 - 人間はスキーマにより長期記憶に情報を保存したり取り出す
- 022 情報は思い出すより認識するほうが簡単
 - 認識は想起よりもかんたんでコンテキストが利用される
 - 包含エラーを引き起こすこともある
- 023 記憶は知的資源を大量に消費する
 - 人は毎秒400億個の感覚入力を受け取っている
 - 接尾効果
 - 具体的な単語のほうが抽象的な単語より長期記憶として覚えやすい
 - 悲しい時には悲しいことが記憶に残りやすい
 - 3歳以前のことはあまり思い出せない
 - 言葉よりも実際に見たほうが容易に思い出せる
 - 眠って夢を見ているあいだ、起きている時に経験したことを再加工し整理・統合している
- 024 記憶は思い出すたびに再構築される
 - エターナルサンシャイン
- 025 忘れるのはよいこと
 - エビングハウスの忘却曲線 (R=e^(-t/s)) R:記憶量、S:記憶の相対的強度、t:時間
- 026 鮮明な記憶でも間違っていることがある
 - フラッシュバルブ記憶は鮮明だが間違いも多い

4章 人はどう考えるのか
- 027 情報は少ないほどきちんと処理される
 - 400億のうち、適切に処理されるのは40
 - 人がそのとき、その時点で必要としている情報だけを提供する段階的表示
 - 誰がいつ何を必要としているのかを理解する
- 028 心的な処理には難しいものとやさしいものがある
 - 消耗度合い:「認知」>「視覚」>「運動」
 - フィッツの法則で運動負荷を計算 (T=a+b*log_2(1+D/W))
- 029 人は30%の時間はぼんやりしている
 - 注意散漫状態はよくある現象で長所とも短所ともなりうる
- 030 自信がない人ほど自分の考えを主張する
 - 認知的不協和
- 031 人はシステムを使うときメンタルモデルを作る
 - メンタルモデル:ある物事が機能している仕組みをその人がどう理解しているかを表現したもの
- 032 人は概念モデルとやり取りをする
 - 概念モデル:ユーザーがシステムのデザインやインターフェースに接することで構築するモデル
 - メンタルモデルと概念モデルが一致しないと使い勝手が悪く、受け入れられない
 - 新しいものの場合はあえて一致させない場合もある
- 033 人は物語を使って情報をうまく処理する
 - 物語はとても重要
 - 人は物事に因果関係をあてはめたがる
- 034 人は例を使ってうまく学ぶ
 - 写真やスクショをうまくつかおう
- 035 人は分類せずにはいられない
 - 人は分類を好み、カテゴリがないと自分で作る
 - 誰が分類するかはそれほど重要じゃない
- 036 時間は相対的である
- 037 クリエイティブになるための4つの方法
 - 熟考的、自然発生的、認知的、感情的のマトリクス
 - 熟考的で認知的な創造性は高いレベルの知識と長い時間を要する
 - 熟考的で感情的な創造性は静かな時間が必要
 - 自然発生的で認知的な創造性は問題に取り組むのをやめてその場を離れる必要がある
 - 自然発生的で感情的な創造性は獲得できない
 - 行き詰まったら眠る
- 038 人は「フロー状態」に入る
 - 作業に没入する
 - 具体的で明確、かつ達成可能な目標を持つ
 - 定期的なフィードバックを得る
 - 自らの行動がコントロールできる
 - 時間感覚が変化する
 - 自分に対する脅威は感じない
 - フロー状態は個人的なもの、文化を超える、喜びを感じる
- 039 文化は考え方に影響する
 - 東洋人は人間関係を重視し、西洋人は個人主義

5章 人はどう注目するのか
- 040 注意力は選択的に働く
 - 選択的注意は意識的にも無意識的にも働く
 - カクテルパーティー効果
- 041 情報は取捨選択される
 - 情報を提供しさえすれば必ず注目してもらえると期待してはいけない
 - 思い込みは禁物。ユーザーはわかってないケースは多い
 - 重要部分に色、大きな文字、アニメ、動画、音声などを使う
- 042 熟練の技は無意識に駆使できる
 - 単純な操作の繰り返しが多すぎると誤りにつながる
- 043 ある事態に対する注意力は頻発が予想されるか否かで決まる
 - 無意識にメンタルモデルを形成している
 - わかりやすく警告してあげる
- 044 注意力の持続時間は10分が限度である
- 045 人は「顕著な手がかり」にしか注目しない
 - やるべきことをすませるのに必要なことにしか注意を向けない
- 046 マルチタスクは事実上不可能
 - 人が一度に処理できるのは1つだけ
 - 例外:非常に得意な肉体的作業と並行した知的作業
- 047 危険、食べ物、セックス、動き、人の顔、物語は注意を引きやすい
- 048 大きな音には驚いて注目する
 - 刺激に離れる
- 049 何かに注意を向けるにはまずそれを知覚する必要がある
 - 五感の刺激、信号検出論、感度とバイアス

6章 人はどうすればヤル気になるのか
- 050 目標に近づくほど「ヤル気」が出る
 - 目標勾配効果
- 051 報酬に変化があるほうが強力
 - オペラント理論
 - オペラント条件付けが昨日するには強化報酬として対象者が欲しがるものを選択する
 - 行動パターンに合わせて強化スケジュールを組む。行動の反復を最大限に引き出すなら変動比率スケジュールを用いる
- 052 ドーパミンが情報探索中毒を招く
 - 人は情報を探索し続けようとする
 - 情報を見つけやすくするほど、情報探索にのめり込む
- 053 人は予測ができないと探索を続ける
 - 変動比率スケジュール&パブロフの条件反射
 - ドーパミンループ
- 054 「内的報酬」のほうが「外的報酬」よりもヤル気が出る
 - 目標設定の無意識性
 - 発見的な仕事で達成感という内的報酬が得られる (ダニエル・ピンク)

- 055 進歩や熟達によりヤル気が出る
 - 完全な熟達の域には漸近的に到達
- 056 欲しいものが我慢できるかどうかは幼少期に決まる
 - マシュマロテスト
- 057 人は本来怠惰な生き物である
 - 人は最良のものより大体満足のいくものを選択する
 - 人は仕事を完成させるのに必要な作業量を最小限に抑える傾向にある
- 058 近道は簡単に見つかるときしかしない
 - 覚えやすい、見つけやすい、使いやすいショートカット(しかし、いつも使うとは限らない)
 - デフォルト設定推奨だが、それによって手間を増やしてはダメ
- 059 人の行動は「性格だ」と判断されがちである
 - 対応バイアス
 - 根本的な帰属の誤り
- 060 習慣は長い時間をかけ徐々に形成される
 - フィリップラリーの習慣化に要する時間曲線
 - 新たな習慣形成を促すには小さなノルマを課す
 - 2日以上サボると習慣化に支障をきたす
- 061 競争意欲はライバルが少ないときに増す
 - N効果
- 062 人は自律性をモチベーションにして行動する

7章 人は社会的な動物である
- 063 「強い絆」を有する集団の規模の上限は150
 - ダンバー数
 - モーガンによる弱いつながりが大事な説
- 064 人には生来模倣と共感の能力が備わっている
 - 共感能力をつかさどるミラーニューロンの発火
- 065 「同じ釜の飯を食った仲間」の絆は強い
 - 同期活動は絆を強める
- 066 オンラインでの交流においては社会的なルールの遵守を期待する
 - Webやアプリデザインは人間同士のルールに沿っているか
- 067 嘘の度合いは伝達手段によって変わる
 - 嘘が一番多いのは電話、一番少ないのは手書き
 - 手書きよりメールのほうが否定的に見る傾向
 - 道徳的拘束からの解放理論
- 068 話し手の脳と聞き手の脳は同期する
 - 脳の同期の程度が大きいほど理解も深い
- 069 脳は親しい人には特別な反応を示す
 - 内側前頭前皮質は価値を判断し、社会行動をつかさどる領域
- 070 笑いは絆を生む
 - インターネットのやりとりで笑いを伝えるやりとりができれば絆は深まる
 - 笑いは伝染する
- 071 笑顔の真偽は動画のほうが判別しやすい

8章 人はどう感じるのか
- 072 7つの基本的な感情は万国共通
 - 感情:生理的な現象が伴い、ジェスチャーや表情などの身体的動作によって表現
    なんらかの行動を起こすきっかけとなる
 - ムード:感情より持続的。身体的な動作をともなわない
 - 態度:脳の特定の領域、認知や意識に関係する領域と深く結びつく
 - ターゲットユーザーの動機の感情を読み取り、基本感情画像を誤解なく活用する 
- 073 感情と筋肉の動きは深く結びついている
 - 脳は感情も反映する
- 074 データより物語のほうが説得力がある
- 075 匂いは感情や記憶を呼び起こす
 - リアル施設では想起などの目的で活用
 - 将来的にはUX担当の必須技術の1つになるかもしれない
- 076 人は思いがけないことを楽しむようプログラムされている
 - 側坐核が活性化するのは予想外の出来事
- 077 人は忙しいほうが満足を感じる
 - 人には口実が必要
- 078 牧歌的な風景を見ると幸せな気分になる
- 079 人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める
 - 人は信用できないという判断を素早く下す
 - 最初の信用拒否の段階で古い落とされないためには色やフォント、レイアウト、ナビゲーションなどのデザイン要素が重要
 - 最初の判断を通過したサイトが信頼を勝ち取るかはサイト内容の信憑性次第。
- 080 大好きな音楽でドーパミンが放出
- 081 達成が難しいことほど愛着を感じる
 - 認知的不協和理論
 - 愛着を強くするためのあえての複雑性という考え方
- 082 将来の出来事に対する自分の反応を大げさに予測する傾向
- 083 出来事の最中よりその前後のほうが前向き
- 084 悲しみや不安を感じているときは馴染みのものがありがたい
 - 馴染みのあるものを求めるのは喪失感の恐れから

9章 間違えない人はいない
- 085 人間にノーミスはあり得ないし問題ゼロの製品も存在しない
 - エラーメッセージがないことが最高のエラーメッセージ
 - 何か問題が起きた時、どう対処すべきかわかることが大事
 - エラーメッセージの書き方
 - ユーザーが何をしたのか告げる
 - 発生した問題を説明する
 - 修正方法を指示する
 - 受動態ではなく、能動態を使い平易に書く
 - 例を示す 
- 086 ストレスを感じているときには間違いを犯しやすい
 - ヤーキーズ・ドットソンの法則
- 087 エラーはすべてが悪いとはかぎらない
 - ユーザーテストでエラーを把握して、適切に修正する
- 088 エラーのタイプは予測できる
 - パフォーマンス・エラー
 - やり損ないエラー
 - 省略エラー
 - 誤動作エラー
 - モーターコントロールエラー
 - ヒューマンエラーのスイスチーズモデル
 - 人的要因分析・分類システム(HFACS
- 089 エラーの対処法はさまざま
 - 系統的探索:エラーを正すために計画的に手順を踏む
 - 試行錯誤的探索:やみくもに試す
 - 固定的探索:うまくいかなくても同じ動作を繰り返す
 - 年配者と若者では対処が違う(年齢よりも危機による背景知識や経験の差)

10章 人はどう決断するのか
- 090 無意識のレベルでの決断
 - 無意識で意思決定するが、決断に対する合理的、論理的な説明は必要
- 091 まず無意識が気づく
 - 人は危険の兆候を無意識に察知し反応するから自分の行動や選択の理由が説明できないこともある
- 092 人は自分の処理能力を超えた数の選択肢や情報を欲しがる
 - 選択肢が多すぎると思考が麻痺してしまう
 - 選択肢を多くしたいという誘惑に負けてはいけない
 - ドーパミンの放出により際限なく選択肢を求める
- 093 選択肢が多いほうが思いどおりになっていると感じる
 - 自分を取り巻く環境を支配したいという願望は生来のもので理にかなっている
 - いったん提供した選択肢を取り上げると相手は不満を抱く
- 094 「お金」より「時間」
 - お金に関するメッセージよりも時間に関するメッセージを見た方が親近感がわく
 - 親近感を持った方が購買意欲も増し、満足度も増す
- 095 意思決定には気分も影響
 - 楽しい気分の人には直感で素早く決断するよう求めれば高く評価される
 - 悲しい気分の人にはじっくり考えて決断するよう求めれば高く評価される
 - 適切なマインドと決断を組み合わせる
- 096 グループによる意思決定は必ずしも的確ではない
 - 集団的意思決定の危険性
 - だが、意思決定は1人より2人のほうがいい
- 097 人は支配的な人物に影響される
 - あらかじめ自分の考えを出させた上で回覧したのちに会議すべき
- 098 確信がないときは人まかせにする
 - 推薦文やレビューは大事。評価やレビューを書き込んだ人についての情報を多く添えるほど評価やレビューの影響力は強くなる
- 099 他人は自分より影響を受けやすいと考える
 - 第三者効果による影響
- 100 目の前にある品物のほうが高値に
 - 現物がものを言う


2016年2月21日日曜日

不動産証券化とJ-REITがわかる本を読了

図解 不動産証券化とJ-REITがわかる本

ちょうど、REITについて知識を入れたかったので、読了。
先日のJ-REITファンに参加するための予習みたいなもの。

J-REITファン

全般的にREITに関する内容が書かれていて、とても良かった。
下記の目次の内容を見ていただければそれは伝わるだろう。

第1章 不動産証券化の歴史
第2章 不動産証券化の仕組み
第3章 不動産証券化に係るテクニックとインフラ
第4章 不動産ファンドの動向(1)――私募ファンド
第5章 不動産ファンドの動向(2)――J-REIT
第6章 不動産ファンドの動向(3)――オープンエンド型ファンド(私募REIT)
第7章 不動産証券化を支える法制度
第8章 オリジネーターから見た会計上の留意点
第9章 不動産投資を理解する判断指標 
第10章 不動産証券化のケーススタディ
第11章 欧米に学ぶ不動産証券化の問題点
第12章 不動産の環境対応─―環境配慮型不動産



主に良かったと感じたのは、不動産証券化における仕組みでAMやPMに関する役割を知れたことや、SPCの役割や目的、資金調達手法のそれぞれ(エクイティ、デットなど)を理解できたこと。
私募REITに関しては当初は目論んでなかったが、意外と色々知れて良かった。
あとワールドREITに関しては法整備の関係上、投資対象が少し異なることもあることがわかったのも良かった。
あとは9章の判断指標。これが最も知りたかった。忘れないように単語だけメモをしておく。
■収益率をチェックする指標
- キャッシュフロー
 グロスキャッシュフロー
 純収益
  NOI(ネット・オペレーティング・インカム)
  NCF(ネット・キャッシュ・フロー)
- キャップレート
- IRR (Internal Rate of Return)
- 不動産投資インデックス
■価格の妥当性を検証する方法
DCF法
■投資の安全性をチェックする指標
LTV (Loan to Value)
DSCR (Debt Service Coverage Ratio)
イールド・ギャップ
リスク・リターン
最近はシェアリングエコノミーも普及しているし、証券化においてはもっと深化させて理解していきたいと思う。
本書は良書だった。

2016年2月13日土曜日

破産する未来 少子高齢化と米国経済を読了した

破産する未来 少子高齢化と米国経済
破産する未来という興味深いタイトルの本書。
なんのきっかけだったか全然覚えてないが、Amazonの欲しいものリストに入り続けておりついに買って読んだ。

概要はこんな感じだ。

2030年、米国ではベビーブーム世代の完全引退で年金・医療費の負担が耐え切れない水準にまで上昇する!―本書が赤裸々に描き出す米国の戦慄の未来は、少子高齢化がさらに深刻な日本にこそ当てはまる。しかも、この悪夢のシナリオはすでに始まっているのだ!「世代会計」が明らかにした少子高齢化の恐るべき真実。

本書の原著者のコトリコフは世代会計の手法の提唱者らしい。結局のところ、先進国が抱える少子高齢化の先にある政府の財政赤字をいかにして解消するかという問題なのだが、将来世代に対して潜在債務として先送りできている状況というのが問題だし、それを気づいているかいないかはわからないが、放置されている現状だと思う。

本書は2004年頃のアメリカの話ではあるが、読んでいて今の日本の人口動態とフィスカルギャップの話にドンピシャに当てはまるし、興味深く読めた。
年金、医療費の政府支出の割合は年々増えている。
政府の予算申請などを鑑みても明らかだ。
少しづつ、負担のどころを個人の方にシフトしていくソフトランディング手法で移行してきているような気がしている。

だが、他にも支出要素があるし、赤字の多くを国債発行により補填しているので、今後インフレ目標2%を目指す政策にした際に利息による支出が多くなり、複利的に債務が膨らむんじゃないかという不安に駆られている。
あらためて、この問題を深く考えていけるような感じになってきているので、マクロの動学的均衡論なども含めてインプットしたい。本書はその意味でも良い内容だった。

■目次
第1章 赤ん坊から老人へ
第2章 真実は小説より悪い
第3章 ニューヨークの地図でロサンゼルスを走る
第4章 強壮剤、怪しげな薬、その場しのぎの応急処置
第5章 臨界に向かって
第6章 進路を変える
第7章 ライフ・ジャケットにしがみつけ!
第8章 自分の未来を救おう

金融マーケティングの考え方とやり方を読了

金融マーケティングの考え方とやり方

■概要
なぜ高い費用をかけたマスマーケティングの効果が薄れているのか。金融機関と顧客(生活者)との間に横たわる認識ギャップを整理したうえで、店舗、コー
ルセンター、インターネット等のチャネル選択、マス広告・ネット広告等の集客策、SNS、デジタルマーケティングとデータ活用法など、リテール業務の収
益性を高めるためのマーケティング戦術を、浜松信用金庫、第四銀行等の事例をまじえて説く。

以下はメモ
個人と金融機関に携わる課題
「金融機関側は常日頃から金融商品を売りたいと願い、戦略を入念に検討し実行に移すが、生活者側は金融商品に関心があることはない、むしろほとんどの場合興味がない」

金融商品の現状
- 本来は高関与商品であるべきだが、実態は低関与商品
- 生活者に金融機関が好き、金融商品が好きという人がほとんどいない

金融機関のブランド力の低下

店舗戦略施策例
浜信きらり支店(http://www.hamamatsu-shinkin.jp/topics/news/20131118_1342.html)

今の生活者の特性
「なんとなくの信頼ではなく、実利を伴わないと人は動かない時代になった」

第四銀行の施策
若年層との接点が希薄。キャッシュカード一体型クレジットカードを作ってもらう

YouTubeで展開
LINE@導入 (FB,Twitterと違い、炎上リスク低く、導入コストも安いため始めやすい)
→位置付けは店舗への送客
無料の相談チケット
ラッピングバスを走らせる

生活者の想起率を高める

ライフイベントの補足とそのプッシュ施策はずっとやってきた
今後はライフイベントではなく資金ニーズそのものを探す動きが必要

リスティング、DSP、DMPなどによる獲得の話

リアルタイムチャットの事例
みずほMessenger
http://www.mizuhobank.co.jp/messenger/index.html

これからのマーケティング戦略
- 対面の集中と戦略
- 非対面強化

いずれにしても、多少の業界変動は起きそうだなと思った。

■目次
第1章 個人領域の目的は「収益源」、その手段は「効率化」(チャネルの最適化を図った結果
課題:チャネル最適化の弊害が出始めている
施策)
第2章 テクノロジーを使った収益源の拡大とさらなる効率化(いまこそ、生活者に近づこう)
第3章 インターネットが変える、コミュニケーションのあり方(ダイレクトマーケティングを金融分野に適用したときの課題
セルフサービスが前提の日本のウェブコミュニケーション
LINEで根づいたメッセージング(チャット)文化
欧米のトレンド「ウェブ接客」
日本のセルフサービス型のウェブサイト ほか)

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