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2017年5月3日水曜日

mixiサルベージ vol.1

過去にmixiにあげてたレビューをこちらにサルベージしておく。

## バルセロナが最強なのは必然である


ペップ・グアルディオラの就任以降、輝かしい栄光を欲しいままにしているバルセロナ。この強さも相まって、バルセロナに関する様々な書籍が出てきたものだ。

しかし、このバルセロナの強さの本質に迫る内容という書籍には巡り会えていなかったように思える。

そんな折、本書を手に取ったところ、大変に興味をそそられる内容であった。

過去に「戦術的ピリオダイゼーション理論」を取り上げた書籍について読んだとき、フットボールの新パラダイムである複雑性に興味を持った。本書はそれをバルセロナというケーススタディに当てはめて解説をしている。
フットボールの戦術本と侮るなかれ、哲学の類いのカテゴリにも分類できるだろう。

本書を読了後、バルセロナの試合(サラゴサ戦)を観戦し、個人的にも新たなパラダイムで試合を見ることができたと感じる。
本書を読み通した結果、バルセロナが最強でなくなる理由に思いを馳せたのだが、私が思うに「飽くなき探求精神が尽きたとき」ではないかと思う。

つまりペップがこのクラブでやり尽くしたと感じるその瞬間に他ならない。相手によってやり込められなく継続が途切れるとき、そのチームは伝説的に語り継がれる。すでにその片鱗は見えているが、彼の今後とチームの進化、引き際のタイミングなど、注目せざるを得ない状況であるだろう。

大変におすすめな1冊である。

この魅惑的なチャレンジングな内容を書籍にしたオスカル・モレノ氏、それを訳す大変な作業を行った羽中田昌氏には敬意を表し、締めくくりとしたい。

■目次
Introduction バルセロナの本質に迫るために

PART1 バルセロナのフィロソフィーを解明する
CHAPTER1 古典的なパラダイム(枠組)で捉えてはいけない
1‐1 細分化しては全体像が見えない
 ▼攻撃と守備が分けられてしまっている
 ▼プレーヤーの能力を解体してはいけない
 ▼数値化することで安心してはいないだろうか
 ▼プレーだけを抽出することはできない
1‐2 代表でメッシの力を発揮させることができるのか
1‐3 従来の補完性の考え方
1‐4 ただ順守するだけの原則はいらない
1‐5 プレーヤーと監督の関係を考える
 ▼知の所有者としての監督

CHAPTER2 新たなパラダイム(枠組)がもたらすもの
2‐1 部分のさらなる先に全体像が現れる
 ▼攻撃の手段は守備とつながっている
 ▼プレーヤーは一つの機能を持ったシステム
 ▼プレーヤーを評価する基準とは?
 ▼ドラムでもピアノでもなく、ジャズを聴く
2‐2 スター選手がチームが変わると活躍できない理由
2‐3 プレーヤーたちを強く結びつけるために(新しい補完性の考え方)
2‐4 フットボールの原則から解き放たれよ
2‐5 主体となるのは監督ではなくプレーヤー
 ▼監督はチーム内の一つの駒にすぎない

CHAPTER3 バルセロナのプレーに秘められた原理
3‐1 バルセロナの全体像をつかむために
 ▼ボージャンの自然なプレー(組織化の原理)
 ▼バルセロナらしさは各プレーヤーの中にもある(ホログラムの原理)
 ▼スタメンが同じでも、同じ結果は得られない(フィードバックループの原理)
 ▼生産物であると同時に生産者である(再帰性の原理)
 ▼コインの両面を調和させる(自己組織化の原理)
 ▼個人であることと集団への帰属は分離できない(ディアロジックの原理)
 ▼アウベスが新たな手段を持ち込んだ(知の導入の原理)
 ▼すべてのピースを結びつけるチャビのプレー(差別化の原理)
 ▼セスクはアーセナルで指揮者の役割を担う
 ▼ブスケツを投入したことの意味合い(補完性の原理)
 ▼クライフの遺産に、新たな特性を加えていく(進化の可能性の原理)

PART2 バルセロナのプレーモデル
CHAPTER4 バルセロナのプレーモデルを紐解く
4‐1 バルセロナのプレーモデルとは
 ▼どのようにオーガナイズされているのか
 ▼ラインの敷き方とポジションからわかること
 ▼プレーモデルの最も重要な目的とは?

## 「空気と世間」 

演出家の鴻上尚史氏による著書。
私自身は社会学研究等には一切関係ないが、最近のソーシャルメディア
を取り巻く状況を色々と調べていたら、ここに行きついた。
本書に登場する山本七平氏や阿部謹也氏の研究にも抵触している。

内容についてではあるが、演出家のプロならではの切り口で「空気」と「世間」に対して鋭い考察を入れている。
過去の研究も引用的に引いてくるが、彼の演出の実績による空気感の理論。最近の現状に照らし合わせた社会感描写など、なかなか舌を巻く内容であった。

「世間」と「社会」の定義というくだりがあるのだが、鴻上さんは近さゆえの関心があるorなしでこれらを定義している。これをネットワーク的に言ってしまえば、ノード間の結合の有無ということになろうか。
このダブルスタンダードでの基準が大変興味深い示唆を与えてくれた。

この辺の関係をもう少し掘りたい。

目次
第1章 「空気を読め!」はなぜ無敵か?
お笑い番組の「空気」/「順番に来るいじめ」/日常というテレビ番組/
司会者がいない場の空気に怯えるな etc.
第2章 世間とは何か
席取りをするおばさんの「世間」と「社会」/ 「しようがない」の意味/
インテリが無視する「世間」/西洋にも「世間」はあった/
神と「世間」の役割は同じ etc.

第3章 「世間」と「空気」
「世間」が流動化したものが「空気」/日本人がパーティーが苦手な理由/
差別意識のない差別の道徳etc.

第4章 「空気」に対抗する方法
絶対化に対抗する相対的な視点/ 「多数決」さえ絶対化する日本人/
議論を拒否する「空気」の支配/「空気」の世界は理屈のない世界etc.

第5章 「世間」が壊れ「空気」が流行る時代
中途半端に壊れている「世間」/精神的なグローバル化/
不安と共に急速に壊れ始めた/超格差社会を生きる個人を支えるキリスト教/
空気で手に入るのは「共同体の匂い」/抑圧としての「世間」にうんざりする人々etc.

第6章 あなたを支えるもの
資本主義の「中世」化/「世間」を感じるために他者を攻撃する/
ほんの少し強い「個人」になるetc.

第7章 「社会」と出会う方法
「世間」に向けて発信した秋葉原連続通り魔事件の被告/「社会」に向かって書くということ/
「社会」と出会うための日本語/複数の共同体にゆるやかに所属するetc.

## イシューからはじめよ


少し前にだいぶはやった本。
ヤフーの方で元マッキンゼーの方が執筆されている。

やはりコンサル的思考回路で、とてもロジカルで爽快な内容。
いかに効率的に良質のアウトプットを出せるかという観点に着目した
非常に目から鱗な内容だった。

目次を紹介
はじめに 優れた知的生産に共通すること
■序章
この本の考え方―脱「犬の道」
■第1章
イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
■第2章
仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
■第3章
仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
■第4章
アウトプットドリブン―実際の分析を進める
■第5章
メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう

日本は戦後からいち早く復興し、sophisticatedな社会システムを醸成してきた。今、そのシステムは新興国と呼ばれる国が学び、先進国は知的労働によるバリューを出すことができるか否かで大きく左右されてくると思う。

いち早くアメリカは変化をしてきているだろうけど、まだまだ道半ば。日本は残念ながら輸出立国であるため、その辺の抜本的変化はないが、製造業の先端はこの知識集約労働による開発がなされているんだろう。

教育がそもそものシステム国家に適合できるようになっているために、いかに今後の複雑な世界に適合できるようになるかが肝なのだが、そこに対する明示的なマイルストーンは示されていない。

本書はそういった社会に対する提言と同種であるような気がする。

”イシューは何か?”に徹底的にフォーカスを当てる。

大きな問題、仮説は何か?それを起因することは大変難しくクリエイティブな作業になるが、このビジョナリー的な作業がなければ、その国の未来はない。

多くのビジネスに関わる人間が本書のようにロジカルに考え、カオスな世界へ進むべきベクトルを提示すべきだと思う。

## ゲームニクスとは何か

ゲームニクスとは何か?

最近、マーケティング界隈ではゲーミフィケーションというバズワードが出回っている。かなりの勢いだ。
これはゲーム的な仕掛けを応用することでユーザーエクスペリエンスを向上させるような取り組みなのだが、紐解いていくとゲームニクスにたどり着く。

では、ゲームニクスとは何か?

ゲームニクスとはゲームを科学することで「人を夢中にさせる」ノウハウを抽出して理論体系化したものであると、著者は定義している。

おお!これぞ、今求めるもの!ということで読了。

新書なので、大変サクっと読めます。

メモ
ゲームニクスの原則
1、直感的なユーザーインターフェース
2、マニュアルなしでルールを理解してもらう
3、はまる演出と段階的な学習効果
4、ゲームの外部化

総務省の情報大航海プロジェクトに際して、
重要なのはどれほどすばらしい検索アルゴリズムを開発し、ユーザーの行動履歴を分析して情報マッチングを行う”環境”などを整備したとしても、最終的に重要なのはユーザーインターフェースだということです。

なかなか目から鱗情報が多かったのでおすすめです。

目次
はじめに ゲームニクスとは何か
第1章 なぜ、子供は食事を忘れるほどゲームに夢中になるのか?
第2章 ゲームニクス理論―総論
第3章 “任天堂一人勝ち”から分かること
第4章 iPod、グーグル、ミクシィ…本当のヒットの理由は?
第5章 ゲームニクスが医療・福祉・教育分野を救う
第6章 ゲームニクスが日本の未来を明るくする
おわりに 日本のもてなしの文化を見直すこと

## 人はなぜ形のないものを買うか

これは完全にタイトルからジャケ買いしたもの。
奇しくも私もWebビジネスでサブスクライバモデルを検討している1人であったため、興味深く購入。

少し古い本なので、例に挙がるゲームなどの仮想空間はセカンドライフである。今であれば全盛を誇っているモバゲーやGREEなどが関わるのだろうが、まあそこは堪忍してください。

目次
第一部 デジタルコンテンツの収益モデル
第一章 デジタルコンテンツのビジネス問題
第二章 価値分析
第三章 時系列分析とタイミング

第二部 形のないものを売る仮想世界サービス
第五章 仮想世界の設計理念
第六章 オンラインゲームの事例
第七章 広告モデル

第三部 仮想世界のマネジメント
第九章 アイデンティティ
第十章 コミュニティ
第十一章 関係性の創出と公平性
第十二章 仮想世界の経済システム

結論もネタバレしちゃうのだが、最終的にはサプライヤーの提供するプラットフォームでいかにユーザー同士がつながる環境を用意できるかどうかが課金の正否を握ると結論づけられる。
今で言えば、セカンドライフ的にコミュニティを楽しめるのはアメーバピグではないだろうか。
実際やったことはないからわからないが、仕組みとしてはうまくできていると感じる。

便利だからなどの理由では続かないというのは、突き刺さるなぁ。

情報考学の橋本さんの書評もあったので、リンク。
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/12/post-893.html

ちょっと鮮度にかけるが、考えさせられる内容であったので4つ。

## 暗黙知の次元

マイケル・ポランニーの暗黙知の次元。ずっと読みたくて買ったが、途中で読みかけていたのを読了。

なかなか日本語が難しく読みにくかった。もっと読解力をあげないとなぁ‥

書評は偉大なる正剛さんと橋本さんのブログに譲る。

千夜千冊
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1042.html

情報考学
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/11/post-1112.html

まあ、これで得られたものとしては、暗黙知とはゲシュタルト的なものであり、創発によって知り得ることであるということだ。
なんのこっちゃとは思うかもしれないが、それは本書なり上の書評なりを読んでいただければわかることと思う。

思えば、仕事や技術に関する知(ナレッジ)も結局は体系化して管理ができていても、あくまでそれは在ることを知るという観点であって、決して暗黙知を共有することにはならない。
過程において発見するものなのだから。

そういう意味で特殊な仕事や技術においてはギルド性が重んじられるものだろう。

うーん。師匠見つけねばな。。

星は4つで!

## 壁

安部公房の壁。前回の砂の女同様に知人に勧められ、読破。

またもや難解な感じの小説であったなぁというのが、全体を通しての印象であった。それもそのはず、最後の解説にはフランツ・カフカと安部公房の比較云々とか書いてあって、カフカかよ!と突っ込んでしまったくらいだ。

ただ、暗さという意味では正反対なので、大丈夫らしい。
カフカは噂に聞くが未読なので、これ以上は特に触れない。

構成は短編が3章ある形である。
以下、目次

第一部 S・カルマ氏の犯罪
第二部 バベルの塔の狸
第三部 赤い繭
    赤い繭
    洪水
    魔法のチョーク
    事業

すべての物語には壁という共通の演目がある。
例えば第一部はカルマ氏の”名前”という他人と自分を分つ壁が題材となっているし、第二部では影=肉体という壁についての内容。赤い繭関係は少し違うのかもしれないが、繭はまさに体そのものだったりと、まあ、詳しくは読んでみてくださいってことで。

で、その辺の壁という認識を持ってから、エヴァンゲリオンのATフィールドも同様の扱いだよなーと思いながら読んでいた。あれは心の壁であるが、安部公房は物理的な境界である壁について、多少形而上学的に物語を形成しているあたり、読み進めていくにあたり、難しくなっていくような気がする。

読後の爽快感がないのも同氏の著作の特徴だが、不思議と次も読みたくなる。これもまた時期新たに読むと印象変わるのだろうか。
なんともいえないが、星は4つつけておきたい。

## データを未来に活かす

東京は立川市にある統計数理研究所を取材した書籍。
まあ、ジャケ買い的にタイトルを見てレジに持っていったのは
言うまでもなしか。

内容的にもそれぞれの研究者が自身の研究テーマやこれからどういうようにしていきたいかなどをかたり、日本の統計学の体系的な教育制度のなさを嘆く(言い過ぎか?)というものだった。

特に3.11後の地震のシミュレーションを行っている事例は興味深く「点過程」の統計モデルに興味がわいた。

あとは最近の研究で「データ同化」が流行しているという。これは理論モデルに実データを組み込んでいくもので、まさにベイズなんかもそうだと思うが、こちらも深堀してみたいと思った。

特にモデルの説明などなく、平易な内容なので、統計の裾野を広げる役割は十分に担える書籍ではないだろうか。
僕も応用統計家を目指せるようになりたいなー‥
とか、思ったりしている。

星は5つで!

目次
序章
統計数理研究所はデータ中心科学の中核的研究機関としての使命を果たす
第1章
医療 新しい臨床試験、治療法や診断法の開発を通して、先端医療に貢献していく
第2章
災害 地震活動の「ものさし」としてのETASモデル。着実に進む地震の予測
第3章
自然 野生生物の生きる姿をフィールドワークとデータから読み解く
第4章
情報 映像検索へのチャレンジと音声の個人性情報の抽出への取り組み
第5章
社会 日本人の国民性をより深く知るための意識の国際比較
第6章
先端数理と理論 「最適化」のニーズは世の中の至るところにある
第7章
気象 エルニーニョ現象も解析中。大いなる可能性を秘めたデータ同化という手法
第8章
健康 統計学者ではなく、応用統計家(Statistician)として

## リスクは金なり

経済小説の黒木亮さんのエッセイ集。

実は黒木さんの本は読みたいのだが、まだ「カラ売り屋」しか読めていない。

本書は彼の体験記を綴ったものであるため、彼の小説のバックボーン的な位置づけであるだろう。

僕がよく読む幸田真音は米系銀行のディーラーだった。彼女はマーケットのわずかな秒単位の表現がうまく、惹き付ける力がある。
一方黒木さんは日系の銀行でキャリアをスタートし、その後国際金融の舞台へと羽ばたいていったようだ。いわゆる投資銀行業務である。そのため、マーケットの動きよりもファイナンスの仕組みであったり、駆け引きの妙を描写するのがとてもうまいと感じている。

やはりその人のバックボーンを知ることができると、また味わいが増すというものだ。

また、黒木さんは学生時代、マラソンをやっており、箱根駅伝も2回走っているアスリートでもある。これは大変にすばらしいキャリアの持ち主であり、当時の早稲田の監督のエピソードも描かれている。
すばらしい作品には相応の裏付けがある。
そんなことを感じさせてくれた内容であった。
星4つ

目次
第1章 リスクな世界の美酒
(キルギス・コニャックエリスカお婆さんの疾走 ほか)
第2章 世界で仕事をするということ
(「サバイバル交渉術」世界標準八ヵ条
土日語学力―留学の必要なし、大声を出せ、週末を使いこなせ ほか)
第3章 人生の目標が見つかるまで
(人生の目標が見つかるまで言葉の狩人 ほか)
第4章 ロンドン金融街の小路から
(わたしが遭遇した「ネット金融」犯罪ロンドンの7・7地下鉄テロ ほか)
第5章 海外から見た日本
(地方の闇―詐欺師Xと夕張市アフリカの航空機ファイナンス ほか)

## 統計数字を読み解くセンス

統計を初歩から見直したいなーと思っていた矢先に書店で見つけた本。

目次を見ればわかるが、統計の基礎的な内容を平易に説明している。そういう意味ではとてもよかった。

しかし、もう少し深いところまで欲しかったのが正直なところ。
統計初学者が統計的感覚を身につけるためには良書。中級者以上には少し物足りなさの残る内容であるだろうか。星3.5くらいか。

以下目次
第1章
統計数字はじめの一歩――データの集計と分析
一 どんなデータがあるのだろう
二 データの分布に現れる法則
●確率をめぐる話1 二個のサイコロの目の和

第2章
平均することでなにがわかるか
一 平均とはどういうことか
二 宝くじ一枚の当選金――期待値とはなにか
●確率をめぐる話2
確率を具体化するとどういうことになるのだろうか

第3章
偏差値を正しく理解する
一 全体の中での位置を知る
二 偏差値はなにを明らかにするか
三 対数正規分布の平均値と標準偏差
●確率をめぐる話3
宝くじの番号、宝くじに当たりやすい人

第4章
データ集計のコツ
一 集計表の見方とつくり方
二 シンプソンのパラドックス
●確率をめぐる話4
誕生日のパラドックス

第5章
相関関係をどう読み取るか
一 ふたつのデータの相関をとらえる
二 性質の異なる数値をどう扱うか
●確率をめぐる話5
ロト6で出やすい数字はあるのか?

第6章
因果関係を検討する
一 相関関係と因果関係
二 見かけの相関
三 風が吹けば桶屋が儲かるか
●確率をめぐる話6
薬の有効・無効

第7章
もっともらしい結論に惑わされない――検定
一 検定とはなにか
二 違いの大きさを測る基準
三 奇妙な一致に統計学はどう答えるか
●確率をめぐる話7
野球選手の打率

第8章
全体の姿を推しはかる――推定
一 標本とはなにか
二 得られた結果をどう判断するか
三 ペンキの厚さの分布と信頼区間
●確率をめぐる話8
エレガントな調査法

第9章
統計による予測は可能か?
一 回帰 という現象
二 地球は温暖化しているか
三 予測の精度を高める方法
●確率をめぐる話9
確率を意思決定に役立てる――降水確率

第10章
健康な生活を送るための統計学
一 正常と異常の境目
●確率をめぐる話10
検査結果の確からしさ
二 安全性の判断

## 集合知の力、衆愚の罠――人と組織にとって最もすばらしいことは何か

集合知の力と衆愚の罠というソーシャル時代にふさわしいタイトルととてもよさげな装丁に惹かれて購入。

みんなの意見は案外正しいなど、Web2.0以降のインタラクティブなインターネット空間には様々な情報が転がっている。
大枠で見れば正しいのかもしれないが、なかなかそうではないケースや、そもそもカオス状態になり集約できない場合もあるだろう。

そういう見解を得たくて読んでみた。

本書を読んで思ったのが、「衆愚」について。
このワードの具体例は「空気」で語られるように、過去の日本の戦争の事例などがあげられる。山本七平の空気の研究よろしくだ。

つまり、民衆の総意は得られたが、そもそものベクトルに問題があるということである。
これは一概には言えないが、なかなか防ぐことは難しい。
そうである事実をまずは客観的に捉え、その上で慎重に対応せねばならないからだ。

最近twitterのTLで情弱やらバカ発見器だのといった発言もあるが、
こういった要素も少なからず含むだろう。

最後に、本文の一部を引用してしめよう。

"集合知とは、集団やコミュニティ内での相互作用を通じて獲得される知識や洞察のことだ。さらに掘り下げて考えるならば、そこにあるのは人と人との「生きた結びつき」であり、地域や組織や世界における「頼り合い」である"

内容よかったんだけど、読み進めにくかったので、星は4つで。

目次
序章 集合と知が変化を生む
第1章 集合知とは何か
第2章 集合知の出現を促すには
第3章 異なる世界観を生きる
第4章 集団を愚かにするもの
第5章 極性化した集団の悲劇
第6章 合意の幻想
第7章 無限の共創力
第8章 集合知を呼ぶ意識
終章 誰もが必要とされている

## ねんきん定期便活用法

一時期は騒がれたものの、最近はあまり聞かなくなった年金問題。
問題は何も解決しておらず、ただメディアが報じなくなっただけである。この国民煽動とそれに煽られる国民問題は問題だが、この本とは関係ないので、特に触れない。

そして、年金記録漏れなどから、その解決を目指して国民1人1人に対して加入記録などを伝える「ねんきん定期便」が開始された。
今なお、政治には胡散臭い権力闘争があり、官僚にも負のイメージがつきまとう。

これを主導しているのは、厚生労働省からの派生した独立行政法人である「日本年金機構」

まあ、組織とは往々に巨大になると動きにくくなるものだ。
このように切り離した方がよいというのは、官僚の優れた洞察によるものではないだろうか。

本書を読み、届けられるねんきん定期便の役割などは理解できた。

記載にもあるが、目に見えないことに対する不安があることで、国民は煽動される。じゃあ、可視化すればいいではないか。
このように加入履歴に基づいて、自身の年金額まで出してくれているのだから。

本書執筆の時点ではないが、現在、年金ネットという形でこのねんきん定期便はネット化されている。
http://www.nenkin.go.jp/n_net/
20歳以上のすべての国民が対象である。
ぜひIDを取得してほしい。

だが、年金がわかるだけでは不十分。
それを日常のお金管理と結びつける必要がある。

マネールックというお金管理サービスがある。
https://www.moneylook.jp/
こちらでは、銀行や証券などかなりの金融サービスが管理できる優れもの。こちらで前述のねんきんネットも管理が可能だ。

国民の金融リテラシー教育の欠如は問題となっているが、未だ解決策どころか方向性すら出せていない状況。
1人1人が意識改革をすることでしか、もはや状況は脱せない。
自主自律。これが大切である。

本書は年金に興味のある方には大変おすすめです。

## カモメになったペンギン

カモメになったペンギン。
はて、なんのこっちゃとは思ったが、ジョン・P・コッターのビジネス本だった。ビジネスあるあるを寓話形式にしたものだという。

帯には「変わらなければ生き残れない」
と、書いてある。うーん。気になるってことで購入。

とあるペンギン界の話。
ペンギンのフレッドはふとした時に自分たちの住む氷が溶けかかっていることを発見する。
それを仲間に報告し、対策を打っていくのだが‥
という感じの内容。

まあ、フィクションなので強引な部分もあるが、日常の会社生活においても共起性があり、とても面白かった。

さらっと読めるので、ちょっとした息抜きにおすすめ。

目次
日本の読者へ ~ジョン・コッター
序文 ~スペンサー・ジョンソン
ようこそ
カモメになったペンギン
自分を変えて、成功を収めよう
変革を成功させる八段階のプロセス
考え方と感じ方の役割
訳者あとがき ~藤原和博

## アイデアの作り方

とても薄い本だが、一時期の流行と帯の文字に惹かれて購入。
帯には、「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」と記載。

はてさて、どんな内容かなと期待した。

目次

・この考察をはじめたいきさつ
・経験による公式
・パレートの学説
・心を訓練すること
・既存の要素を組み合わせること
・アイデアは新しい組み合わせである
・心の消化過程
・つねにそれを考えていること
・最後の段階
・二、三の追記

この本の趣旨は単純明快。アイデアの作り方は再現性があることを述べている。
そしてその手法は下記の通り。

1、資料集め (当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵による資料)
2、それら情報の咀嚼
3、孵化。意識の外での組み合わせ
4、アイデア誕生(ユーレカ!)
5、現実への適用のためのアイデアの具体化と展開

これだけのことだ。
しかし、列挙の内容だけみても、ふーん程度だと思う。
おそらく無意識でみんな行っているからだ。

しかし、ヤングの説明と竹内さんの解説を読むことで、その理論への肉付けがなされる。
たしかに帯の内容も言い得て妙な感もあったわけだ。

読みやすいしおすすめ。

## 岡田武史というリーダー

昨年2010年南アフリカW杯で想定以上の成績を収めた岡田ジャパン。
その岡田監督のマネジメントに着目した本書。
フットボールにマネジメント要素を強く感じる私はタイトルを見た瞬間に読むことが決まっていた。

最初に目次を列挙しよう。

はじめに
第1章 決断のマネジメント
第1節 ワールドカップ終戦と岡田武史  
第2節 大転換こそ「決断」の原理
第3節 岡田と「決断」の密接な関係  
第4節 「決断」したら振り返らない
第5節 「決断」がもたらした勝利  
第6節 「決断」と情報収集
第7節 「理想」と「現実」の2つを描く岡田の原点

第2章 手配のマネジメント
第1節 最善の「手配」は正しい想定から  
第2節 ベースキャンプ地選びという「手配」
第3節 想定がズバリ当たった高地対策  
第4節 「点」でなく「線」で見る必要性
第5節  勇気ある敗北 を求めて  
第6節 なぜ、目標を「ベスト4」に置いたのか

第3章 構築のマネジメント
第1節 「縦」よりも大事な、強固な「横」  
第2節 チームに川口能活が必要だった理由
第3節 「コンセプト」と「フィロソフィー」  
第4節 勝負は細部に宿る
第5節 「構築」に欠かせないミーティング
第4章 岡田武史というリーダーとは
おわりに

本書の執筆者はずっと岡田さんを追っかけてきた二宮さんという方だ。
彼のマリノス時代の功績についてはそれほど知らないので、なんとも品評しがたいが、代表でのキャリアは知っているし、彼のWOWOWでの解説を聞いていても、フットボールへの深い理解と洞察を感じることはできていた。

ただ、著者も書いてあったように大会前の岡田ジャパンへの悲観的な見方はたしかにあった。
オシムの掲げた日本サッカーという理想を追い求めたが、最後の決断で今回の結果を生み出しているわけだから。
しかし、理想は間違っていなかったことは本大会にデルボスケのスペインが勝利したことで証明されている。

可能な限りチャレンジをした結果であっただろう。

話は少し変わるが、僕は2006年の失敗を悔しく思っていた。
金子達人さんの敗戦とに綴られていることを事後に知ったことも影響している。

今回の南アフリカ成功の裏には岡田さんの周りのJFAのスタッフ全員のリベンジの結果だったのではないだろうかと推測する。
平田さんも著書でマッチメークの難しさなどを書いていた。

とにかく、サッカー好きだけでなくビジネスマンも大いに読むべき本書はもちろん☆5つである!

## コンピューターが仕事を奪う

タイトルからして、PCを駆使する我々のような人間には必須のものと感じ、読了した。

趣旨は大きく異なるが、ホワイトカラーの仕事が外部要因によってなくなるというのは「フラット化する世界」で経験しているが、本書も同様にホワイトカラーの仕事が消えていくことを提言している。

フリードマンは世界がインターネットによって情報コストが格段に安くなることで世界の仕事の同質性を説いた。

本書で著書の新井さんは、「ムーアの法則」で格段に進化したPCハードウェアにより、処理能力が向上したことで、従来のホワイトカラーの仕事が消えていく提言をされている。
効率化というと、最近ではあまり好ましく思われないが、これは確実に浸透していくだろう。

機械学習、パターン認識などの帰納的アプローチはもはや人間の出る幕はない。(ちょっと言いすぎ?)
しかし、そもそもの用件定義などの方向性を定義付けることなどはできないことなので、人間のバリューはそちらで発揮すべきだろう。
良書なので、☆4つ

以下、目次
はじめに―消えていく人間の仕事
第1章 コンピュータに仕事をさせるには
第2章 人間に追いつくコンピュータ
第3章 数学が文明を築いた
第4章 数学で読み解く未来
第5章 私たちは何を学ぶべきか
おわりに―計算とともに生きる

## 読書について

ショウペン・ハウエルによる読書について。

とてもシンプルで薄い本だが、昔から読まれているもので、内容は重厚。

目次はこの3つ。

思索について
著作と文体
読書について

哲学者らしく思索から始まり、書を記すこと、そして書を読むことの3本立てである。

なんか読んでいるうちに説教されてる気分になった。

ごもっともだし、そうだなーと。
思索しろ。きちんと書け。適当な解釈入れるな。とにかく読むだけなんてバカだ…
なんか、こんなんばっかwww

でも、色々と考えさせられたので、とてもよかった。
たしかにインプットばかりだったので、再考しよう。

## アンチドロップアウト

財前宣之、石川直宏、小澤英明、阿部祐大朗、廣山望、佐藤由紀彦、
金古聖司、藤田俊哉、茂庭照幸、李忠成。
いずれもかつて日の丸を背負い、将来を嘱望されたJリーガーたち。
ある者は馴れ親しんだチームをリストラされて下部リーグに新天地を求め、ある者は踏みとどまって再起を期した。
サッカー選手にとって「成功」とは何か。
明日の保証もないサッカー人生だが、彼らはけっしてあきらめず、
燃え尽きず、現役を続行する。

こういった紹介文だ。

正直、選手のネームを見ただけではそれほど読書欲は沸かなかったのは事実である。ナオやチュンソン、茂庭の話はどうかなーくらいの気持ちだった。

しかし、内容を読むと、むしろ初めて聞く選手の方が、引き込まれるストーリーだった。
財前は中田と同時期の選手で才能はピカイチ。しかし、怪我になかされる。才能ある若手の道で成功者は欧州に移籍などしているが、かつて嘱望されたフットボーラーには様々な苦悩があるんだと思い知らされた。

僕らはサラリーマンだから、必ずしもこのようなドラスティックな状況というのは経験することは少ない。
でも、金をもらってプロとしてやる以上、彼らのような気がいや境遇というのはとても参考になるし、見習うべきだ。

僕はこの本を全てのビジネスマンに読んで欲しいと思う。
とてもよい内容だった。

## 35歳までに読む仕事のキャリア

My News Japanという就職・雇用のサイトの運営者の著書。

twitter上でちょこちょことげのある意見なんかを目にしていて、なかなか面白そうな人だと思っていた。
偶然、古本屋で見つけたので、手に取ったというわけだ。
ま、キャリアについては悩んでいる最中である。

目次
第1章 なぜ今、キャリア論なのか
第2章 年齢別の新しい俯瞰図
第3章 「ポスト戦後」のキャリアモデル
第4章 動機を顕在化するには
第5章 能力を開発するには
第6章 望む仕事内容に就くには
第7章 国がやるべきこと

内容としては、現在の日本の就職環境・雇用環境を論じながら、今までのキャリアの変遷事例の成功例を紹介していくというもの。

大事なことは金などより、自分のやりたいこと、つまり内発的動機によるものだという。
これは本当にその通りである。

本書を通じてうならされる部分も大変多くあった。
しかし、同時に結局はキャリアの終着点は大手企業に行き着くことが多い。(事例では)

時代はたゆまず流れているものだし、彼の主張ももっともなので一読の価値はある。とりあえず、20代のポテンシャルは予想以上に高いということを学んだ。

## キャピタリズム

あのマイケル・ムーアがサブプライムなどで、大パニックに陥ったあの金融危機にメスを入れる痛快な話。
見ていて、本当に共感する部分が多かったし、こういった闘う映画監督は大好きだ。

サブプライムローンの不履行による強制執行のドキュメントや、金融機関への取材。時には犯罪者呼ばわりするムーア監督の行動力や取材力に改めて舌を巻いたと言わざるを得ない。

華氏911の時もそうだったが、ブッシュ政権への彼のメスの入れ方には半端ではない意気込みを感じる。
そして、ヘンリー・ポールソンをはじめとするゴールドマン・サックスへの対応も秀逸だった。

デリバティブによって金融機関みんなが得をしたわけではないので、過剰な表現であるとは思うが、一部の富裕層、CEO連中は本当に儲けていたと思う。
政府による救済支援金の使途不明は知らなかった。

下院で否決されたのは知っていたが、当時は疑問だった。
でも、こういった理由があったんだな。目から鱗だった。

この映画はみんなに見て欲しい。特に金融関係の人間は必須だろう。

文句なく星5つ。

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